いやぁ…はやいですね。
8/30にEOS R5 mark IIが発売でしたので、気づけばもう1ヶ月です。
というわけで1ヶ月使ってみてのレビューを。
EOS R5 mark IIで良かった/期待通りだった点
フルサイズ4500万画素 裏面照射積層センサーの画質
RF200-800mm F6.3-9 IS USMで撮ってますのでそんなにシャッキリはしませんけど。
正直いまのCanonのミラーレスボディの画質が気になったことは一度もないので特に問題なく。
まぁロクヨンなんかで近距離で撮影できれば、目の覚めるような写真が撮れるのではないかなと 😛
結局、レンズと画素ピッチの関係でどのくらいの画質まで許容するかという話な気がします。
R5初代よりも画質が…とか言ってる人もいますけど、実際に違いがわかるシーンはなさそうな気がします。
AF性能
EOS R1、R5 mark IIに搭載された新AFについての性能は、自分の用途で使ってみるまでわかりませんので不明だったのですが、「Canonがようやく本気になったか」というくらい非常に高性能なものでした。
- 高精度な動物検出
- 高速なトラッキングAF
- 背景にピントが抜けにくい
- 手前のものにピントがあいやすい
EOS Rシリーズの野鳥撮影におけるAFで致命的な欠点だったのですが、ほぼ全て解消された感覚です。
とまりものも動体撮影でもかなり快適に使えますので、非常に良くなりました。
カワセミ撮影ではようやくEOS-1D X mark IIIより有利なボディが出たかという感じ。
デフォーカス時の復帰は相変わらずではあるんですが、背景を掴みづらくなったので相対的に向上したように感じますね。
ローリングシャッターの歪み
EOS R7で撮ると本体と水面にうつった姿が全然違ったりしていましたが、そういう症状は1度も起きていません。
羽の形も違和感を感じることはほぼありませんね。
これについても、読み出しスピードが1/125秒ということでEOS R7やR5などよりは速いもののEOS R3よりも遅いため不安だったのですが、結果としては野鳥撮影では問題ありませんでした。
この点が解決できていなければ、どれだけAF性能が高くても撮影結果は「お祈り」になってしまいますので安心しました。
ただ、読み出し速度的に電車などでは多分傾くかな…。
プリ撮影
これは既に性能は事前に公開されていましたので不安があったわけではないのですが、やはりRAWバーストとは違って普通のRAWファイルとして保存されるというのはとても良いですね。
プリ撮影中もしっかりトラッキングAFは追従してくれますし、実際使ってみるとすさまじく強力な機能かと思います。
現状ではRAWでプリ撮影30コマ/秒(連続15コマまで)というのは、競合他社と比べても頭一つ抜けた性能のように思います。
30コマ/秒 連写
α1の時に30コマ/秒で撮ってたので良さは知ってましたが、本格的にカワセミ撮影で使い始めるとやはり良いですね。
15コマ/秒だと欲しいシーンを逃してしまっている事があるのですが、歩留まりが大きく向上しました。
C-RAWで95枚程度のバッファがあるようですので、プリ撮影しながら撮ると残約80枚から連写スタート。
CFexpressに書きだしながらですので大体4秒、130枚くらい連続撮影できるかなという感じ。
実際にシャッターを押しっぱなしにしてみて何枚撮れてるかを確認したので、状況やCFexpressのスピードで変化するかも。
サーボAF1コマ目のシャッター設定
※ピントが合う前の1枚目の状態からシャッターを切ってくれるのでテンポが狂いづらい
これまでのEOS Rシリーズでは「ワンショットAF」の1コマ目シャッター設定はあったのですが、サーボAFについてはなかったように思います。
EOS-1D X mark IIIなどではあったのですが、ようやく設定できるようになってくれたかという感じ。
ボディ側のフォーカスプリセット
※いきなり目の前の枝に現れたキビタキをすぐにピントを引き戻して撮影
RFレンズでしか使えなかったように思いますが、これは非常に便利ですね。
これまでは大砲レンズの機能としてあったフォーカスプリセットですが、RF200-800mm F6.3-9 IS USMなどでも使えるのでデフォーカス対策で活用できます。
ただ、AFが良くなって逆に出番が少なくはあるんですが 😛
バッテリー持続時間、USB-C充電
これについては、EOS R7と違ってバッテリーグリップがあるので、私の用途では丸一日使っていても問題ありません。
さらにバッテリーグリップにLP-E6Pを2つ入れておいて、ボディのUSB-CにPD対応のケーブルをさせばそのまま両方充電できますので、充電器も全く必要なくなってとても便利に。
EOS R5 mark IIがいまいちな点/期待外れだった点
ブラックアウトフリー撮影
ブラックアウトフリーをONにすると表示シュミレーション設定が変更できなくなるのは残念ですね。
私はRF200-800mm F6.3-9 IS USMではほぼEVを下げて撮影するので、ブラックアウトフリーにするとファインダー像が真っ暗に。
ただ、幸いにしてブラックアウトフリーOFFでも電子シャッターならば30コマの紙芝居になりますので、そんなにブラックアウトフリーと変わらない感覚で撮影できますし、特に問題には感じていません。
視線入力
一応(?)は設定して試してみたんですが、わざわざ使う事もないかなと。
反応もR3の時と同様で視線を向けても1テンポ遅れてくる感じでもうひとつですね。
野鳥撮影、特に動体撮影は解像力が高いレンズ中心を使って日の丸構図にした方が良いですし、なにより「真ん中に被写体を捉えればよい」ので楽です。
とまりものでフレーミングしたい場合でもほとんどの場合は鳥をトラッキングできるので、真ん中でとらえた後にフレーミングを自由にできる場合が多いため、AFエリア自体を動かそうという事がほぼありません。
上の写真も上のカワセミをトラッキングで掴んで、もう1羽のカワセミもフレームに入るようにフレーミングする感じで撮ってます。
ま…正直なところ野鳥撮影ではあまり出番はない機能なので、それなりにコストのかかっている機能だとおもいますしコストダウンのためにも削除してほしい機能ですね 😛
R3でも問題にはなってましたが、ファインダーのガラスが大きいわりにむき出しになっているので傷つきやすいというのもいまいち。
価格
キヤノン、「EOS-1D X」を6月20日に発売決定 ~GPSレシーバー「GP-E1」は7月に延期
これはまぁ…アレですが、やっぱ59万円は高いですよね 😛
たしかEOS-1D Xの初代がこのくらいだった気がしますので、気づけば少し前のフラグシップ機と同価格に。
ただ、物価が上がったのとお値段の価値はあると思うので致し方ないところかなと。
EOS-1D Xが2012年か…mark II、mark III、R1ですので、確かにあれから12年しかたっていないんですね。
まとめ
EOS Rシリーズでの野鳥撮影
とまりものならEOS R7、動体も撮るならEOS R5 mark IIで、ようやくボディについては出そろったかなと思います。
レンズについてはDxO PureRAW前提ならばEOS R5 mark IIはRF200-800mm F6.3-9 IS USMが丁度良い感じ。
つきつめるならロクヨンやハチゴローでしょうが、AIによるRAW現像の進歩によって昔ほどの画質差はないのと「やっぱ2kgは軽いな」というのもあって、もう一歩がんばる気が起きないですね。
いまあえてRF大砲を買うならRF600mm F4L IS USMとRF Extender x1.4、x2を買う感じですかね…。
いつかEOS R7 mark IIがEOS R5 mark IIのAPS-C版的位置づけで発売されたらその時に考えます 😛
EOS R5 mark II ファームウェア1.0.1
EOS R5 Mark II ファームウエア Version 1.0.1EOS R5 Mark II ファームウエアの変更内容を説明しているページです。
正直、どうでもよすぎてまったく気にしてないのですがEOS R5 mark IIのファームウェアが少し前にアップされてました。
EOS R5 mark IIは今の状態で特に問題ないので、何か目玉機能が来るまではアップデートしません 😛
サイレント修正とエンバグが怖い。
総評
EOS R5 mark IIは久々のCanon渾身の良ボディと言ってよいかと思います。
SONY α1やNikon Z9などをぶっちぎっているかというとそういう性能ではないので他社からのマウント移動のモチベーションは得られない感じはします。
あとはRF用に調整されたRF600mm F4L IS II USMをExtender x1.4内蔵で出してくれて、EOS R7 mark IIがAPS-C版EOS R5 mark IIの性能で出ればその組み合わせでCanonの野鳥撮影機材は確定なのですが、最短で2026年くらいですかねぇ…。
ただ、カワセミ撮影が容易になってくると逆にみなさん満足して機材購入意欲や撮影意欲が薄れちゃいそうで怖いですがw
さて、当面はまだまだEOS R5 mark IIを使って楽しみたいと思います。
はりきっていきましょう 🙂