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EOS R5 mark IIで野鳥撮影 カワセミ撮影のヒント(初心者向け)

はい、まだまだ撮影数は足りませんがEOS R5 mark IIでのカワセミ撮影について、ちょっとしたヒントなどを。

撮影距離


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/9 1/2000s 2000 -2EV 

撮影距離ですが、私の感覚では距離15m~20mくらいが丁度いいかなと思います。

近すぎると、とまり木との高低差でレンズを振る角度が大きくなりますし被写界深度も厳しくなります。

遠すぎると、解像度が低くなりますし肉眼でカワセミの飛び込み位置の推測が難しくなります。

環境や視力によっても変わるとは思うのですが、今日ここで貼るカワセミ写真は大体距離15m~20m、フルサイズ4500万画素、焦点距離800mmレンズで撮られたものですので参考に。

カメラの設定

サーボAF

Canon EOS R5m2 800mm ƒ/13 1/200s 800 

たまに一眼レフからミラーレスに移ってきて、これからカワセミを撮ろうという人の中に、ワンショットAFで撮っている方がいます。

少なくともEOS R5 mark IIではずっとサーボAFで問題ありませんので、サーボAFで撮りましょう。

トラッキングもですが、ほとんどの目玉のAF機能はサーボAFで機能します。

シャッタースピード


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/10 1/4000s 3200 -2EV 

私の場合は最低でもシャッタースピードは1/2000を確保しています。

EOS R5 mark IIは画素ピッチが少し狭いので、SS 1/4000を確保した方が被写体ブレによるブレを抑えることができている気はしてます。

ただ、F9レンズを使っているとSS 1/4000はハードルがたかいですね 😛

露出補正

Canon EOS R5m2 800mm ƒ/10 1/2000s 10000 -3EV 

※歪みの補正などもしてるのでちょっとだけサイズ感が違います

これは大砲レンズを使ってる人にはあまり関係のない話ですが、RF200-800mm F6.3-9 IS USMはF9なのでSS 1/2000を確保するとISOが簡単に12800くらいまでいってしまいます。

ただDxO PureRAW + CaptureOne前提ならばISO10000でEV-3でも十分に見れる写真で現像できますので、EVはハナから下げて撮影して良いんじゃないかと思います。

というのも、動体撮影では色味や解像度よりもしっかりとブレずにシャッキリ撮れる方が優先されるからです。

全てを求める場合は、ヨンニッパ、ロクヨン、ハチゴローあたりの大砲レンズで。

プリ撮影


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/9 1/2000s 3200 -2EV 

私は動体撮影ではプリ撮影は常時ONにしています。

本当は何かボタンでサっと切り替えられると良いのですがどうもできない感じなので、シャッターチャンスはいつくるかわからないですし。

私はC1をとまりもの、C2を動体という感じでわけてるので動体のほうは常にプリ撮影な感じですね。

あと、私の場合はカワセミの着水を撮るときに無意識に少しシャッター半押しでタイミングを取る癖があるので、レリーズタイムラグ対策にもなってます😂

C-RAW


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/10 1/2000s 2000 -2EV 

これは難しいところなのですが、RAWでは連写継続時間が少し足りないことがあるのでC-RAWにしてます。

プリ撮影も入れると連続撮影時間は初めから少し減ってるようなですしね。

CanonのC-RAWは優秀だと思いますので、容量対策も兼ねて。

まぁ動体撮影ではRAWとC-RAWの違いが明確にわかるようなシチュエーションも少なそうな気がします。

AF設定

私の今のAF設定はこんな感じ。

サーボAF中の全域トラッキング

これがONだとフレーム全域でトラッキングをして謎の物体を掴んでしまうことが多いのでOFF。

AFエリアを上の赤枠くらいの大きさにしておいても、青い枠くらいの被写体は掴んでくれるのでAFエリアは小さめに設定。

AFエリアのサイズは、どれだけの範囲ならカワセミを捉え続けることができるかで決めたら良いんじゃないかと。

検出する被写体

被写体検出サーボAF中の全域トラッキングサーボAFの挙動
ありON従来のEOS R3やR7のトラッキングAFに近い挙動
ありOFFAFエリアで範囲を絞ったトラッキングAF
なしON構図からカメラが被写体を自動判断してトラッキングAF
なしOFF従来の一眼レフに近いAF動作

EOS R5 mark IIでは、「被写体検出」と「サーボAF中の全域トラッキング」の組み合わせでサーボAFの挙動が変わります。

両方OFFの場合は、一眼レフに近いAF動作になります。

EOS R5 mark IIの被写体検出はかなり優秀で、EOS R3やR7のように一眼レフ的なAFに頼るよりは動物検出の方が良い感覚があるので、私は被写体検出は「動物優先」で設定しています。

サーボAF特性


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/9 1/200s 1600 

これはまだ試しているところなのですが、EOS R5 mark IIはR3やR7と違ってトラッキングの調整もここで兼ねているようです。

被写体追従特性を一番左(粘る)にするとR3やR7で「追尾する被写体の乗り移り」を「しない」にしたのと同じような挙動になってる気がします。

逆に「速度変化に対する追従性」ですが、これまではあまり気にせずMAXにしていたのですがEOS R5 mark IIではトラッキングのAF合焦エリアが速度変化に反応するためか、とまりものでもブレやすくなるように感じています。

なので今は1つ下げていますが安定した気がしていますので、案外 0~-1 とかにしたら水に潜ってから再び現れるまで安定してくれるんじゃないか?とか思ったりもしてますけど、これから試行錯誤。

サーボ1コマ目レリーズ


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/10 1/2000s 3200 -2EV 

これはEOS-1D Xなどでは設定があったと思うのですが、とうとうEOS R5 mark IIで設定できるようになってくれました。

確かEOS R3やR7にはなかったはずです。

レリーズ優先にすることで「シャッターボタン押してるはずなのにシャッターが切れない」といったようなテンポを狂わせる現象を抑えることができます。

AFの挙動

動物検出、瞳AF


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/10 1/2000s 2500 -2EV 

EOS R3やR7に比べて、比較にならないくらいに動物検出の精度が向上しています。

カワセミの飛び込み撮影でも、着水から浮上を除けば、ほとんどの場合で動物検出に成功してます。

ただし、着水~浮上の水絡みは動物検出に失敗しますので、ここをどう乗り切るかが今の課題になってます。

トラッキングAF


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/13 1/200s 800 -1EV 

EOS R3やR7ではトラッキングAFはとまりものでの瞳AFや、ちょっと動く場面でしか使い物にならなかったのですが、追従も速くてEOS R5 mark IIでは常時ONで大丈夫なくらい高性能です。

もちろん被写体が枝の奥にいたりする際にはトラッキングできないこともあるので、そういう時は中央1点かMFで。

ただ、多くのシーンで中央1点やMFの出番はなくなりました。

プリ撮影時のAF


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/10 1/4000s 2500 -2EV 

今のところしっかり動物検出できる場合のプリ撮影は、ほぼ100%トラッキングAFが追従してくれてプリ撮影に成功しています。

EOS R7の時はローリングシャッターの歪みもあって「お祈り」でしたが非常に良くなりましたね。

カワセミの飛び出しを毎回プリ撮影しても飽きちゃいますが、珍鳥でも自信をもって使えるというのは重宝しそうです。

機材

三脚

近年はボディ+レンズ+雲台は軽量なものも多いのでそこまでゴツい三脚はいりませんが、基本的には三脚を使って撮影した方が良いです。

理由は2つあって、カワセミは待機時間が長いので「その時」まで構えて待つのはかなりきびしい点、もう1つは飛び込みを追いかけるなら安定していた方が良い点です。

三脚自体はフラフラなものじゃなければ良いように思いますが、雲台によっては三脚を選びますのでそこは注意ですね。

雲台

私は一念発起してザハトラーのFSB-8 mk IIを買いましたが、GITZOのジンバル雲台で撮れないかというとそういうわけでもありません。

ただカワセミ撮影を本気でやるならば、最終的に雲台にこだわりますのでそれなら初めから高価なものを使うのもアリな気はします。

カワセミを追いかけるときには斜め方向にレンズを振りますが、丁度良い力の加減でスムーズに斜め下方向にレンズを振ることができるか?

また、振った時にしっかり目的の場所でピタっと止めることができるか?

で選ぶと良のではないかなと思います。

照準器

慣れると照準器がなくても撮影できるのかもしれませんが、基本的には準備した方が良いのではないかと思います。

照準器はHOLOSUNなど高価なものを使っている人もいれば、安価なものを使ってる人もいます。

私はOM SYSTEMのEE-1を使ってますが、プラスチックですぐガタがくるのでオススメはしませんが、そんなにはお高くないので「壊れたらまた買えばいいか」くらいの気持ちで使ってます。

好みで良いのではないかと思います。

撮り方

大きく分けて2つあるのかなと思っていて、1つは水面にレンズを向けておいて着水に合わせてシャッターを切る方法。

もう1つは飛び出しからずっと追いかけ続ける方法です。

環境にもよりますが、EOS R5 mark IIでは飛び出しのとまり木からカワセミをとらえられるなら、飛び出しから追いかけた方が歩留まりは良いかなと思います。

水面で着水を待つ方法


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/9 1/4000s 8000 -2EV 

※背景がうるさくて、飛び出しから追いかけても背景にピントを持っていかれやすいシーン

長所としては、レンズを最小限しか動かさなくて良いので、水絡み以降を撮るならば難易度が低い点。

また、そもそも飛び出しのとまり木が見えなくてカワセミを視認できない場合でも撮れる点

背景がうるさい場合でも着水点だけをとらえられる点など。

短所としては水絡み以降しか撮れない点と、初動を捉えにくい点などです。

この方法は一眼レフがかなり得意で、着水点の予測を外してカワセミがデフォーカス状態になっていようが問答無用で瞬時にピントを合わせてくれます。

また、一眼レフは水面自体にピントを合わせてくれることが多いので、着水点の近くにAFエリアがあればなんとなくでも撮れてることが多いですね。

ミラーレスは水面にうつる背景にピントが持っていかれる事が多い感覚です。

EOS-1D X mark IIIだと、外す気がしないくらいの確率で撮影成功します。

ミラーレスでもCanonではEOS R5 mark IIより古いAFはとにかく背景を掴んでしまう事が多く、こちらの方がまだ歩留まりは良かったように思います。

ヒント:待機時のピント位置


※手前の落ち葉にピントをあらかじめ合わせておく

水面で待つ場合は、着水予測地点よりも手前にあらかじめピントを合わせておきます。

EOS R5 mark IIでは比較的手前に被写体が来ても反応してくれますが、やはり全体的に奥の方にピントが合いやすいので、どうしてもあらかじめ奥の方にピントがあると背景を掴み易い傾向があります。

私がよくやるのは、着水予測地点の手前の落ち葉や枝などにピントを合わせておく方法ですね。

ミラーレスは一眼レフと違ってただの水面にはピントが合いづらいですが、何もない場合はMFで着水予測地点の手前の水面にピントを合わせてます。

ヒント:視界


※実際にはこんなにとまり木と水面は近くではないですがイメージとして

これはできないときもあるんですが、カワセミと照準器のポインタが両方とも見えるように視界を調整します。

カワセミが見えないときはカワセミがとまってる場所と照準器のポインタを視界にいれます。

どうしてもカワセミの方だけを見てると飛び出した後すぐに照準器のポインタに目の照準を合わせないといけないので、カワセミを見失いガチになります。

逆に照準器のポインタだけを見てると、当たり前ですがカワセミの飛び出しに気づけませんね。

両方とも視界に入れておいて、カワセミが飛び出したら角度から着水地点を即座に割り出してレンズを振って照準器のポインタを合わせ、シャッターボタンを押す感じですね。

私はカワセミが着水予測地点よりも右にいる場合は、左目で照準器のポインタ、右目でカワセミを見たりしてます。

飛び出しから追いかける方法


Canon EOS R5m2 800mm ƒ/10 1/2000s 4000 -2EV 

長所としては、ずっとカワセミの方にレンズを向けているのでカワセミの表情や初動を捉え易い点、うまく撮れば飛び出しから飛び去りまで全てを撮影できる点など。

短所としては、背景にピントが抜けやすい点と、レンズを振って追いかけるのにはスキルが必要な点です。

この方法はEOS R5 mark IIが得意で、広いAFフレームで被写体を追いかけやすいですし、プリ撮影でほぼ100%飛び出しを撮影できるのはもちろん、動物検出で被写体を捉え続けてくれるので着水点でトラッキングが切れてもピントをおお外しはしません。

また飛び去りも高確率で動物検出してくれます。

ファインダーからの像はブラックアウトフリーに近いので、覗きながらでも撮れちゃいますね。

ヒント:照準器で追いかける


※照準器の視差のイメージ

飛翔時間が長くなりそうな場合….つまり飛び出し角度が浅かったり高低差が大きい場合は、照準器じゃないと私はついていけません 😛

ファインダーを覗いて撮るとやはり見失い易いですね。

ただ、照準器の場合はカワセミとの距離によって視差がありますので、そこは意識しながら追いかける感じになります。

視差がどうしても厳しいので私は照準器で追いかける場合は、背景を掴んでしまいやすくなりますが、少しAFエリアを広めにしています。

ヒント:ファインダーを覗いて撮る

飛翔時間が比較的短い、または着水点までが近い、または着水地点が明確な場合は、見失いづらいのでファインダーを覗いて撮ります。

ファインダーを覗いて撮る場合は視差はないので、AFエリアは少し狭くしてカワセミ本体をなるべくとらえられるようにします。

ファインダーを覗きながら撮ると、照準器の時と違ってフレーム内に被写体がおさまっているか、AFエリアがあってるかを確認しながら撮影できますので気分が良いですね。

ただカワセミを見失うとその回は終了なので、ダメージは大きいです😇

まとめ

EOS R5 mark IIでのカワセミ撮影

しばらくかためてカワセミを撮ってみましたが、私がEOS R3やR7で「ミラーレスではこういう風に撮影したい」と期待していた方法でEOS R5 mark IIではカワセミを撮影できています。

まず、フルサイズ4500万画素という解像度は私がカワセミ撮影で最も必要としていたものでした。

トラッキングはカワセミのスピードでも追従してくれますし、動物検出も高い精度で検出してくれます。

プリ撮影は強力ですし、連写もローリングシャッターの歪みが気にならない30コマ/秒ですので理想的です。

着水~浮上までの水絡みはトラッキングや動物検出が切れるのでここをどう安定させるかが課題ですが、それでもEOS R3やR7のように背景に大きくピントが抜けてしまうことはあまりなく、「どうやってガチピンで撮るか」という戦いなので試行錯誤しがいがありますね。

ひかえ目に言っても、EOS R5 mark IIはカワセミ撮影しやすいボディだと思います。

ただ…何気なく使ってますが59万円って少し前のフラグシップ機の価格ですのでちょっと高いですよね 🙁

RF200-800mm F6.3-9 IS USM

今回貼ったカワセミの写真は、全てRF200-800mm F6.3-9 IS USMで撮っています。

一昔前ならばお話ならないような画質ですが、DxO PureRAW + CaptureOneでRAW現像することで十分みれる写真になってますね。

とはいえ、やはりカワセミ撮影や遠距離撮影といったシビアな撮影では大砲レンズは非常に有利ですので、余裕ある方はもちろん大砲で撮った方が良いと思いますが、価格1/6~1/9くらいでここまで撮れるならRF200-800mm F6.3-9 IS USMも十分選択肢としてはアリなんじゃないでしょうか。

私としてはRF大砲のII型が発売されるまではRF200-800mm F6.3-9 IS USMやEF II型大砲で乗り切るのが良い気はしていますが、Canonがこのまま発売してくれない気もしてるので、SONYやNikonの今後のボディ状況もみて判断しようかなと。

感想

今回、EOS R5 mark II + RF200-800mm F6.3-9 IS USMでカワセミを撮ってみて、とうとうミラーレスに完全移行して大丈夫そう」という実感が持てました。

EOS R7 / EOS-1D X mark III + EF800mm F5.6L IS USMがかなり良かったので、随分長く一眼レフとミラーレスをハイブリッドで使ってきましたが、本当にようやくですね。

EOS R1は買う気はありませんが、もしクロスセンサーが優秀でミラーレスの欠点であるAF精度が飛躍的に向上していれば、あとはEOS R5 mark IIIやEOS R7 mark IIがクロスセンサーになるのを待つだけですし、現状でも十分撮影できますのでそろそろRFレンズに投資してもよさそうです。

Canonの製品には色々と文句は言ってますが結局20年くらい使い続けてるので、他のメイカーに移るのも大きなパワーが必要ですし、是非RFレンズは頑張ってほしいですね。

では、この記事が何かしらEOS R5 mark IIでのカワセミ撮影のヒントになれば幸いです 🙂

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