3連休ですが、いまだにコロナの後遺症の咳がおさまらないのでカワセミポイントへ。
カワセミ撮影研究
今回は、今日撮った写真を紹介…だけではなくEOS R5 mark IIでカワセミの動体撮影をしてどんなかんじか?というのも書きますのでちょっと長いです。
EOS R5 mark IIによる動体撮影に興味がない方はサラっと流してください 😛
もうちょっと試行数が増えたらまた別で結果はまとめますが、現時点でのEOS R5 mark IIの評価の参考にしてもらえたら。
カワセミ課長 定住
今日もカワセミ課長(先住)がずっといたので、おそらくですが幼鳥は縄張りから追い出した感じ。
自然は厳しいなぁと思いつつ、私としては来年3月くらいまでは確度高く撮影できるのでうれしい限り。
陽炎でギラギラですが、近かったのと久しぶりに明るい場所だったのでパシャリ。
やっぱり、背中に光があたるとカワセミは綺麗だなぁと。
オスなのと丁度換羽が終わったというのもありますね。
全体的にこれまでEOS R5 mark IIで撮った写真は、DxO PureRAWが使えるようになったら現像しなおします 😛
これもかなり近い(距離10mくらい?)なのですが、DxO PureRAW使えるようになるまでRF200-800mm F6.3-9 IS USMの写真はどうにもならんですね。
逆にどのくらい画質を向上させられるか楽しみですが 😛
ペリット プリ撮影
前に設定紹介で書きましたが、動体撮影設定では常にプリ撮影ONで撮影してるので、気楽にパシャリ。
カワセミの左側に白くないエビやゲンゴロウ成分を多く含んでそうな赤めのペリットが。
これまで、「あ、ペリット吐きそう」ってなったら頑張ってプリ撮影ONにして…とかやってたのが嘘のようw
ちょっと他のボディには戻れないかも…。
飛び込み1
飛び出し~着水
どこまでがプリ撮影かはわかりませんが(DPPでみたらわかる?)、良い感じですね。
あとで合焦AFエリアの一覧も貼りますが、この飛び込みに関しては完全に追いかけてくれたというよりはよくリカバリーしてくれたという感じです。
フルサイズという事で余裕があるので今回は飛び出し~飛び込み、浮上、飛び去りまで全てカワセミをフレーム内にいれての撮影です。
浮上
浮上以降もこのくらい撮れてれば大満足ですね。
やはり30コマ/秒は自分の欲しいショットを選べて非常に良いですね。
もちろん、水しぶきにもっていかれてるのでジャスピンではないですが、そのあたりは運なところもあるので致し方なし。
ノイジーですが、こういうのはDxO PureRAW使えば全部消えるので問題なし 😛
合焦AF検証
一応、この飛び込みの合焦AFエリアを載せておくので、EOS R5 mark IIのAF性能に興味ある人はどうぞw
初めにうまくリカバリーされていると書きましたが、その意味がわかるんじゃないかと。
要所1. 飛び出し直後のリカバリー
まず、この飛び込み撮影の1つ目の要所ですが、飛び出しからしばらくはトラッキングエリアが動いていませんね。
これはEOS R3やR7でもよく見られる症状で「トラッキングが追い付いていない」というような感覚ですが、次の飛び込み撮影でトラッキングはついてこれることは分かったので「飛び出したカワセミを動物検出できていない」というのが正しそうです。
背景もちょっとうるさいので致し方なし。
ですが、EOS R5 mark IIの場合はその後が違っていて「被写体がいなくなった」ことをすぐに検知して、被写体をリセットしてAFエリア内に被写体がいないか探してくれています。
3コマ目が中央に小さい四角が集まっているのは、私が設定しているフレキシブルゾーンの範囲で「被写体がみつからない」ので、一眼レフ的にAFエリア内でピントを合わせようとしてくれてる感じですね。
サーボAF中の全域トラッキングはOFFで謎の何かを掴まずにこの動きをしてくれるのは、期待通りです。
要所2. 被写体の再発見
その後、EOS R5 mark IIが偉いのは、「枝は動物じゃないので、ずっと掴まないでいてくれている」ことです。
そして、2コマ目すこし怪しいものをみつけて、3コマ目で動物検出してトラッキングを開始しています。
この「他の物を無理に掴まずに被写体を再発見する挙動」はEOS R3やR7ではあまり見なかった挙動です。
要所3. 再び被写体を見失ったものの、AFエリア内の何かに合焦
その後、また動物検出できなくてトラッキング切れが発生し、すぐに被写体のロストに気づいてAFエリア内を探してくれてます。
ここでも木の枝を掴んでいないのが良いのと、EOS R3やR7の時はこういう場合はすぐに背景にピントが行ってしまう事が多かったのですが耐えてくれてます。
この「あわてて被写体ではない謎の背景をトラッキングでつかもうとしない」のはEOS R5 mark IIのAFの特徴な気がします。
要所4. 動物認識できていなくても合焦
そして着水からは流石に動物検出ができない状況なわけですが、変なものを掴むことなくフレキシブルゾーン内の水しぶきとカワセミにAFが合い続けています。
これはフレキシブルゾーンでAFエリアを絞っている効果ですが、的確に動いてくれていますね。
トラッキングや動物検出できなかったときの通常AFへの切り替えと、逆に動物検出やトラッキングに戻ってくれるフローがかなり優秀ですね。
AFエリアをフレーム全体にすると着水までフレーム内のカワセミを捉え続けてくれる可能性は高いと思うのですが、ただ着水~浮上中のカワセミはEOS R5 mark IIのAFでも「動物」として検出してくれないようですので、別の何かを掴んでしまう可能性が高まる気がします。
この辺りは今後も回数を重ねて検証なのと、撮影環境にもよる気はしますね。
要所5. 飛び去りも同様の動きで安定
飛び去りは奥の方に行ってしまったので現像はしませんでしたが、こちらも途中でトラッキングが外れても、すぐAFエリア内で一眼レフ的に「何か」を探して、そのまま再び「動物」として検出してくれるので、安定して撮影できてました。
1コマ目は水面に写るカワセミを動物として検出してくれてるのが面白いですね(これが数コマ続いてます)w
EOS R5 mark IIの動物検出ですが、浮上時の顔だけの時や水しぶきまみれな状態以外は大体のポーズで検出してくれてる気がします、かなり優秀ですね。
飛び込み2
飛び出し~着水
はい…これは照準器の視差で完全にやらかしてしまって、着水したカワセミがフレーム内にはいるものの、AFエリアの外の状態でレンズを止めてしまいました。
飛び出しから着水まではAFがとらえていたので、私のミスがなければ完璧だったのに残念 😛
ただ、AFエリアをフレーム全体にすると着水中に別のものを掴む可能性があるので難しいですね。
まぁ…フルサイズになったことですし、照準器視差が厳しい場面ではファインダーを覗いて撮ってもいいかなと思い始めてます。
合焦AF検証
こちらも、EOS R5 mark IIの動体撮影性能に興味がある方はどうぞ。
綺麗にトラッキングしてくれているのでちょっと気持ちいいですね。
要所. トラッキング成功
はい、この撮影では、「飛び出しからほぼ遅延なくトラッキングで追いかけ続けてくれた」というのが何よりの発見です。
つまり、EOS R5 mark IIのトラッキングは条件が良ければ、カワセミの飛び込みでも完全に追従してくれるということです。
もちろん横方向でそこまでピントが前後しないというのも条件の1つでしょうし、どのくらいの環境まで追いかけてくれるかは今後回数を重ねないとわかりませんが、少なくとも「トラッキングはカワセミ撮影でもほぼ遅れない」というのがわかったのは非常に大きいです。
ごちそう
まるで私に自慢するかのように、捕らえた大きなエビを食べていたのでパシャリ。
飛び去った先なので少し遠いですが。
冬になったら小さいのしか捕れなくなるので、今のうちに栄養補給をしておいてほしいものです 🙂
コサメビタキ
APS-Cクロップはしていますがノートリです。
シジュウカラの若が沢山飛んでるなぁと思ってたら、1羽まざってました 🙂
このポイントでコサメビタキを見ることはあまりないので、渡り中ですね。
シジュウカラ
1/2000ではブレてますが、それでもプリ撮影万歳ということで。
いやぁ…常時プリ撮影ONにしておくのは、シジュウカラみたいにちょっと出てきて飛び去ってしまうような被写体でも動きを撮影できてとても良いですね。
まとめ
ロケーション
最近はカワセミの幼鳥を見ないので、どうやらカワセミ課長(先住)が縄張りを取り戻した模様。
まぁ取り戻したというか繁殖期でいないときに、幼鳥が何羽かやってきただけなんでしょうけど 🙂
課長はとても協力的な個体ですので、EOS R5 mark IIの検証がはかどります 🙂
EOS R5 mark IIでの動体撮影
サーボAF中の全域トラッキングOFFとAFエリア
これはおそらく間違っていないとおもうのですが、「サーボAF中の全域トラッキングOFF」の場合のトラッキング挙動として、「トラッキングされている被写体の範囲がAFエリアにちょっとでも重なっていたらトラッキングされる」という挙動だと思います。
RectでみてるかRegionで見てるかはちょっとわかりませんが。
ですので比較的小さめにAFエリアを設定しても、良い感じにトラッキングしてくれることが多いですね。
AFエリア内だけで完結させて欲しいというシーンもあるとは思いますが、総合的に見てこれは悪くない仕様だと思います。
ローリングシャッターの歪み
今日は浮上~飛び去りを撮れたので、確認しましたが「被写体と水面に写った像が違うと感じるショット」はありませんでした。
羽の変形についても目立っておかしいものはなかった(若干怪しいのはありますが、許容範囲内)。
というわけで、ローリングシャッターの歪みについては「野鳥撮影においては気にならない」と考えて良さそうです。
EOS R7では、ほぼ100%被写体と水面の像とポーズが違っていたのでわかりやすいですね。
もちろんレンズを超高速でふったり色々やると歪みも出てくると思いますが、少なくとも私の用途では問題ありません。
これについてはこれで決着かなと思います。
どれだけAF性能や連写が凄くてもローリングシャッターで歪むと台無しですので、これは安心しました。
現時点でのカワセミ撮影の評価
まだ10回も飛び込みを撮ってないので全然試行数が足りませんが、
- カワセミ相手でもトラッキングは遅れず追従してくれる
- トラッキングで謎の物体を掴み続けることがほぼなくなった
- 被写体が手前にいるときに背景に抜けることが少なくなった
- 被写体を見失ってからの再検出がうまく機能している
- 被写体の検出精度は非常に高くなった
- RAWで撮れるプリ撮影が非常に良く機能している
- 電子シャッターでローリングシャッターの歪みは起きていない
- フルサイズでフレームが広いのでAPS-C+800mmと比べると天国
という感じですので、少なくともEOS R3やR7で撮っていたころと比べると「非常に良くなった」と言って良いと思います。
まだ感覚的なものですが、RFレンズを使う分にはEOS-1D X mark IIIでの撮影をようやく超えた感じがありますね。
もちろん一眼レフがピント精度やデフォーカスに対して強いのは変わりませんので全てにおいてではなく総合的に見てですが、それでもようやくですね。
そして、EOS R5 mark IIでこの性能ですので、EOS R1は凄まじそうですね。
前にも書きましたがEOS R5 mark IIでは瞳検出されていても瞳にピントを合わせるAF精度がない場合があるといった症状がみられますが、EOS R1のクロスセンサーでこれが解消されているならちょっとヤバいかもしれませんね。
ようやく私たちが好きだったCanon機が戻ってきたような感覚でうれしいです 🙂
プリ撮影によるレリーズタイムラグ対策
なんとなくデメリットもある気はするのですが、私は動体撮影では常にプリ撮影をONにしています。
私は飛び出しからカワセミを追いかけることもありますが、着水のタイミングを狙う事も多いので実はレリーズタイムラグ対策になってる気がします。
着水のタイミングでシャッターを切る場合、着水した瞬間を狙うわけですがこれがなかなか難しくて大体遅れます。
ですが、プリ撮影をオンにしておくと着水前までのほんの数コマですがシャッター半押し状態のショットを保存してくれるので良い感じに機能しているように感じます。
もちろんその分着水のタイミングより早めにAFがスタートしてしまうという問題はありますが、シャッターが遅れると何も撮れませんしね 😛
ちょっとこれについては本当にプリ撮影で撮れてるの?とかまた検証したいと思います。
DxO PureRAW
いつごろリリースかなぁと思って少し調べてたんですが、DxOの機種対応アップデートのニュースは、7/16(火)、5/28(火)、4/16(火)、3/5(火)、2/6(火)ということで、どうも火曜日がアップデート日の模様。
ですので、9/17(火)が濃厚ですがDxO Labsはフランスの会社なので、日本との時差7時間。
フランスで月曜日に既にアップデートされていてニュース掲載が少し遅れてるようなら、ワンチャン9/16(月)もありえるのかもですがまぁ9/17(火)かなぁ 😛
9/24(火)は勘弁してほしいところですね。
さて、ようやくEOS R5 mark IIのAF性能が見えてきました。
はりきっていきましょう 🙂
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