今のうちに現時点のEOS R7の設定など紹介しておきます。
とまりもの設定
基本的に、モードはTv(シャッター速度優先)です。
Mでも良いと言えば良いのですが、絞り開放以外で撮ることはほぼないのでTvで撮ってます。
1. カメラ設定
記録画質
記録画質は 「RAW」を選択しています。
CanonはC-RAWも綺麗なのでC-RAWでも良いのですが、とまりものでそこまで長時間連写もしないため画質優先。
露出補正/AEB設定
露出補正はほとんどの場合EV -2で撮るのでハナから-2になってることが多いです。
DxO PureRAW3を使う前提ならば、RAW現像でEV -2から持ち上げて写真が破綻することはほぼありません。
ISO感度に関する設定
私はISO感度はオートで範囲は100-1600にしてます。
EOS R7は1600を超えるとディテールが崩れ出すのでISO1600まで。
フルマニュアルの人もいますが、私の場合は散策しながら出会いがしらに撮ることが多いのでシャッターを切るまでのスピード重視です。
レンズ光学補正など、補正系
そんなことしてる暇あったらトラッキングなり頑張れと…というか白い大砲レンズなどではあまり効果ないですね。
ドライブモード
とまりもの時は、ドライブモードはH+ではなくHにしています。
RAWで撮っているのでバッファが一瞬でなくなるのと、そもそもそんな高速連写は必要ないので。
シャッター
シャッターは電子シャッター。
頑張ってメカシャッターで撮っていた時期もあったんですが、ブラックアウトが厳しいのと微ブレも気になるので、電子シャッターで撮ってます。
表示Simulation
Exp.SIMに設定。
これを忠実な感じにししゃうと、悪環境でファインダーのフレームレートがガタオチすることがあります。
また、AFなどはこの設定の補正がかけられたあとのイメージに対して行われるため、EVを下げていると大変なことになります。
ただ、確認できないのはまずいので絞り込み中のみ反映。
2. AF設定
AF動作
サーボAF。
ワンショットAFは使わず、サーボAFでダメなときはMFで撮ってます。
被写体追尾(トラッキング)、検出する被写体、瞳検出
トラッキングAFはON。
検出する被写体は動物優先。
瞳検出する。
とまりもの時は、AFを外したらMFするのでフルセット。
サーボAF特性
ぶっちゃけとまりものでトラッキングがONだとそんなに変わらず。
バランスが良い2を選んでます。
AFエリアの限定
前に紹介しましたが、フレキシブルゾーンを調整して、ボタンを押すたびに大きくなっていくようにしています。
3. ボタンカスタマイズ
M-Fn
ファインダーを覗きながら拡大ボタンを使う事が非常に多いので、押しやすいM-Fnに拡大ボタンを当ててます。
MF時はすぐに拡大してピント合わせで使います。
AF-ON
一眼レフでは親指AFしてましたが、今ではサーボAFを使っていない事の方が少ないので親指AF-OFFにしてます。
AFが期待通りに働かなかった場合に、AF-ONを押しながらMFで撮ります。
AEロックボタン
AEロックはそもそも私は使わないので、このボタンを押しながらダイヤルで露出補正を即座に調整できるようにしています。
EOS R7はダイヤルが少ないので致し方なし。
AFフレームボタン
AFエリアダイレクト選択をあてて、押すたびにAFエリア限定で有効になっているAFエリアを即座に切り換え。
EOS R7…というかEOS Rシリーズはとにかく背景にAFがもっていかれますので必須な気がします。
撮り方
RAWで撮る
「何当然のことを言ってるんだ?」って思われるでしょうが、実は野鳥撮影でRAWではなくJPEGで撮ってる方が相当多いです。
この辺りでまとめてるので、是非JPEGで撮ってる人はRAW現像…できればDxO PureRAW3やCaptureOneを使う事をお勧めします。
それだけで機材のランクが2つほど上がるような感覚です。
EVを下げる
これは人にもよりますが、私はRAW現像時に露出補正をすることに抵抗はないのでほとんどの場合にEVは暗くして撮ります。
そうすることで、「ISOやSSを稼げる」「白飛びをおさえられる」という利点があります。
もちろん、「現場での確認が困難になる」などの問題もありますがどちらをとるかといわれると私は利点の方をとりますね。
AFは条件の良い時しかきかないと考える
まず、この高性能AF時代に何言ってるんだ?って話ですが、トラッキングAFは条件が良い時しかきかないと思っておいた方が気が楽です。
枝が邪魔だったり、鳥のポーズが悪いとまずききませんし、その場合にCanonのAFは背景を掴むことが非常に多いです。
とまりものを撮っているとわかりますが「この状態でカワセミの飛び込みなんて撮れるはずがない」ですね。
AFに拘らず、即座にMFで撮影する気でいましょう。
AFエリアを切り替える
一応の対抗手段としてAFエリアを丁度良いサイズに切り替えてみるというのがあります。
私の感覚では、スポット1点はトラッキングAFとかなり相性が悪いです。
鳥よりも一回り大きいくらいのAFエリアでトラッキングすると掴んでくれることが多い感覚ですね。
AF-OFF機能によるMF
AF-OFF機能をつかってMFする場合、「完全なMFとは違ってEOS R7は裏で被写体認識を試みています」。
下の動画でも、AFエリアが灰色の時(AF-OFF機能でMFしている時)に、瞳に白い枠が表示されるのがわかると思います。
以前書きましたが、MFで撮っている時に被写体や被写体の瞳に白い枠が表示された場合には「トラッキングAF/瞳AF」できるチャンスですのでその状態になったらすぐにAF-ON(AF-OFF機能)から指を離してAFで撮影します。
チャンスがこなければそのままMFで撮る感じですね。
鳥が羽繕いをしていたり、鳥っぽくないポーズの時や枝があるときなどは認識に失敗していて、鳥っぽいポーズになったときにチャンスが来る場合が多い気がします。
連写する
一眼レフ時代はメカシャッターな事が多かったですし、連写することがはばかられましたが電子シャッターは連写しても壊れない&静かな事がメリットでもあるので、連写しまくりましょう。
EOS R7は画素ピッチが狭くてブレることが多いので、とまりものでも「数うちゃ当たる」方式で撮りまくるのをオススメします。
「あとで現像が大変….」ということならCaptureOneを使うかPCにお金をかけるかなりした方が、「頑張って撮影したけどブレた写真しかない」よりもマシな気はします。
私もですが一眼レフから移ってきた人はワンショットAFを使う事が多かったのもあって、連写するクセがついてないですね。
三脚を立てる
EOS R7で焦点距離の長いレンズを使う場合は、三脚を立てることをオススメします。
画素ピッチが狭くてブレにシビアなのと、EOS R7 + 800mmくらいになると被写体をとらえるのが大変な場合が多いです。
「素早く三脚で撮る」のを練習するのがベターが気がします。
飛びもの設定
基本的に、モードはTv(シャッター速度優先)です。
飛びものも同様で、SS以外あまり調整しませんね。
あと、カワセミは基本的にEOS-1D X mark IIIで撮るのでカワセミ以外の動体撮影の設定です。
とまりものと違う所だけ説明を。
1. カメラ設定
記録画質
記録画質は 「C-RAW」を選択しています。
C-RAWにすることで、30コマ/秒で3秒程度、15コマ/秒なら12秒ほどもつようになります。
動体撮影時はどうしても飛翔中ずっとシャッターを切りっぱなしな事が多いので、C-RAWが良いのではないかと思います。
ISO感度に関する設定
動体の場合はノイズよりはSSを高くしてブレを抑えたいので、オート範囲は100-3200にしてます。
ドライブモード
ドライブモードはH+にしています。
ただ、EF800mm F5.6L IS USMはEOS R7の高速連写対応ではないのでそんなに連写速度は出ません。
シャッター
シャッターは電子シャッター。
こちらはローリングシャッターの歪みが気になる場合もあるのですが、カワセミとか以外ならばブラックアウトの方のデメリットが大きいので電子シャッターで撮ってます。
2. AF設定
被写体追尾(トラッキング)、検出する被写体、瞳検出
全てOFF。
EOS R7…というかEOS RシリーズのAFはこれらがONの場合に、被写体以外を掴んで離さなくなるので潔くOFF。
背景がうるさくなくてトラッキングがきく状況では、とまりもの設定でSSだけ上げて撮っています。
追尾する被写体の乗り移り
0:しない
好みはあると思うのですが、被写体の乗り移りをする場合ってシャッターボタンを離してまた押せば良いので、AF中は乗り移らない設定にしています。
もちろん、連写しながら勝手に移ってほしい…というのはあるかもしれませんが、野鳥撮影はほとんどの場合被写体は単体ですね。
サーボAF特性
こちらも同様で。
とらえた被写体を離したい場合って、シャッターボタンを離せばよいだけなのでなるべく追従するように。
トラッキングAFとは違って、シャキシャキ追従してくれます。
撮り方
背景にAFがもっていかれる隙を与えない
結局のところAFエリアにぴったり被写体が収まり続けているならば、ほとんどの場合AFはききます。
ですので、背景がうるさい場所ではできるだけAFエリアを被写体ぴったりにして隙を与えないようにします。
ここはスキルが影響するので、できるだけ練習…あとザハトラーとか高性能な雲台をつかうのもアリです。
トラッキングや動物検出を排除する
それでもおかしくなるのがトラッキングAFや動物検出、デフォーカスから復帰ができない場合です。
まずトラッキングや動物検出はハナからOFFにして、できるだけ背景を掴まないようにします。
それでもつかんでしまったら、すぐシャッターボタンから指を離して再度AFをスタートさせましょう。
基本的にはこれでカワセミでも撮影できる…のですがもう1点問題があります。
デフォーカス対策
「デフォーカスからの復帰ができない」というのは実は「大デフォーカス」に限ったことではありません。
「水面にピントがあっていて、ちょっとだけ被写体が手前でボケている状態」でもよく発生します。
一眼レフではほぼありえない症状で、これがCanonミラーレスで飛翔を撮影しづらい大きな要因となっています。
もちろん、カワセミだけではなく「背景が森で、ちょっと手前に猛禽類がいる場合」でも発生します。
で、どうするの?って話なんですが「どうしようもない」というのが実際のところです。
対策としては「被写体の少し手前からAFをスタートさせる」というのがあります。
カワセミの場合は、着水を撮るならばあらかじめ「着水点の少し手前にピントを合わせておく」ことで回避できます。
EOS R1などで大きなブレイクスルーがあることに期待していますが、これがどうにかならないとミラーレスで快適に動体撮影できる日は来ないんじゃないかなと思ってます。
つい先日NikonのZ9のファームウェアバージョンアップがあったようですが、どうですかね?
まとめ
私自身が設定を忘れないようにメモ的に書いてみました。
結局のところ、ミラーレスの目玉の機能が「野鳥撮影のようなシビアな環境ではもう一歩使えない場合が多い」ように思います。
ただ、条件が良くてトラッキングAFや瞳AFがきくような場合には強力ですので、一長一短ですね。
私は飛びもの…特にカワセミのようにシビアでシャッターチャンスが少ない撮影はミラーレスでは厳しいので、1DX3を使ってしまうことが多いです。
一週間ほどEOS R3をレンタルしてカワセミを頑張ってみた事もあったんですが、基本性能は遥かに高いものの傾向はR7と一緒でした。
結局CanonがR1をいそいで発売していない理由って、「ミラーレスはシビアなシチュエーションではまだ厳しいシーンが多い」からだと思ってます。
R1では新技術によるブレイクスルーに期待したいですね。
EOS R7が発売された当初は頑張っていろんな機能を使っていたんですが、どんどん使える機能や原始的な機能しか使わなくなっていっています 😛
ただ、歩留まりは上がっていっていますので「できること、できないことを取捨して撮影が安定したかな?」という印象です。
何かしら撮影の参考にしていただければ。
野鳥撮影機材
新しい趣味をするときは野鳥撮影機材は売ってしまう事が多い(自然に壊れても嫌なので)のですが、今回は釣りやキャンプなどの両立しやすい趣味に戻りそうですので、野鳥撮影機材はもうしばらく残しておこうかな?と思ってます。
この前のようにキャンプで釣りして、その後少しその辺の鳥を撮ったりが多くなりそうですけど。
といいつつ、いきなり売っちゃうかもしれませんがw
それでは。