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EOS R7,1DX3で野鳥撮影 色bit数やRAW現像について

はい…もう真夏すぎて全く鳥の写真を撮れません 😛
というわけで色やらビットやらファイル形式やらRAW現像やらの話を少し。

光の三原色と色の三原色

なんかCG検定に出てきそうな話ですが、色の表し方にはいくつかあって「光の三原色」を用いてRGBで表す場合と、「色の三原色」を用いてCMYであらわすことが多いです。

というのも、PCやスマホなどは液晶ディスプレイでレーザーを出して色を表現しているので「光の三原色」を使う事が多く、紙などはインクで印刷するので「色の三原色」を使う事が多いためです。

画像を見る媒体って大体ディスプレイか紙ですよね。

光の三原色は R(赤)、G(緑)、B(青)で、すべての光を最大に混ぜると白に見えます。

色の三原色はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)で、すべての色を最大に混ぜると黒に見えます。
絵具を混ぜて紙に塗る事を想像すればわかりやすいですね。

今回はカメラで撮った写真のデジタルデータの話ですので、光の三原色…RGBを主にとりあげます。

bit数

コンピュータではよく出てくる単位ですが、普通はなかなか扱わないものだと思います。

1ビットで0,1の2種の値を表すことができると考えてください。

2bitになると00,01,10,11の4種、3bitになると000,001,010,011,100,101,110,111の8種、つまり2のbit数乗の値を表すことができます。

2進数で考えると桁が増えていくということですね。

よくでてくる 8bit は 2の8乗ですので256種、14bitで16,384種、16bitで65536種の状態を表すことができます。

10進数に直して8bit = 0~255、14bit=0~16,383、16bit=0~65535の範囲の数値を表すことができると考えるとわかりやすいですね。

ですので実はR8G8B8 = 24bitカラーってフルカラーとは言われているものの各色の階調は256段階しかないので、グラデーションなんかを作るとボロボロだったりします 😛

スムーズに変化しているというか…少し縦線が入っているようにみえますよね。
これは横ドット数が256ドット以上あるのに諧調が256階調しかないので「同じ色」が何ドットか続いているんですね。

もしくはそれをスムーズに見えるようにコンピュータが表示しようとした結果、ディザ加工などのフィルタがかかって偽色やメッシュができているかもしれません。

RAWとJPEG

JPEGデータ

まずはJPEGについて。

JPEG自体は私が中学生~高校生くらいの時にリリースされたフォーマットで、当時は「展開に時間がかかるけど自然画のファイルサイズを劇的に減らせる形式」として一世を風靡しました。

  • 元画像から画質が劣化する非可逆変換である
    (JPEGを展開しても元の画像には戻らない、ただ同設定でJPEGをJPEGで保存し続けた場合はある程度で劣化は収束する)
  • 1画素につき R(赤) 8bit、G(緑) 8bit、B(青) 8bitの24bitカラー
  • 自然画は比較的綺麗に変換できるが、アニメ絵など単色ベタのような写真はブロックノイズが目立つ
    写真では青い空などは汚くなることが多い。

といった特徴があります。

ですので、基本的にはJPEGを読み込んで加工してJPEGを出力する…といったような事をやるとそれだけで画質が劣化するため「編集中は可逆変換のフォーマット(PNGやBMP、PSDなど)で編集して、最終的な出力の段階でJPEGで保存するのが基本」です。

RAWデータ

RAWデータは「画像ファイル」ではなく「センサーの情報ファイル」ですので「画素単位」でRGBのカラーデータが保存されているわけではなく、「センサーの各素子の電荷量」を数値化したものが保存されています。

センサーは色の識別はできず「明るさ」だけを測ることができますので赤、緑、青それぞれの光量を測るために例えば「赤い色だけを通すフィルタ」を通すことで「赤の明るさ」を測ったりしています。

RAWデータの14bitというのはJPEGの各R,G,Bが14bitという事ではなく、このそれぞれの「センサーの各素子の電荷量」を数値化する際のbit数となります。

では、どういう風に色を表しているかですが…ここで皆様大好きベイヤー配列が出てきます。

人間の目が緑の光を最も精度高く感じられることから、緑の明るさを測るセンサーを赤や青よりも増やすことで、できるだけ人間が見た時の色の再現度を上げるような配列になってます。

カラー値の計算はもっと複雑な計算で行われていると思われますが、イメージとしてはこの図で書かれたような感じで計算して最終的に画素毎にR(16bit)、G(16bit)、B(16bit) = 48bitカラーの情報を取り出しています。

もちろん48bitの最小粒度で取り出せているわけではないですが、ここをいかに綺麗に補間するなりして取り出すかがボディ内蔵のアルゴリズムやRAW現像ソフトの現像性能に関係してきます。

とりあえず、「RAWデータは各画素について光の3原色のそれぞれの色がJPEGと比べて最大256倍の階調をもっている」と考えてもらえると。

写真の編集

RAW編集

RAW現像

PureRAWなどを使わない、DPPやCaptureOneだけを使ったときのRAW現像フローです。

大事なのは「最終出力であるJPEGよりもはるかに階調の細かい中間画像に対して編集を行う」という点。

こうすることで編集中に階調が大きく失われる処理をかけたとしても、極端な例では階調が1/256まで失われない限りJPEGに現像する際には諧調が失われないという事になります。

RAW現像で露出補正 +2~+3したときに、ほぼ真っ黒に見えていた部分が綺麗に階調高く浮き上がってくるのはこのためです。

JPEGファイルに対して露出補正を行っても、黒い部分はほとんど黒く潰れたままか諧調が大きく失われます。

DxO PureRAW3やAdobe スーパー解像度を含めた場合

おそらく、DxO PureRAW3もAdobeスーパー解像度も内部ではいったん中間画像にして、そこからまたRAWに戻している気がしますが、外からみるとこのような形になります。

どちらにせよ最後にJPEGに出力するまでは階調を8bitに落とさないため、高い精度で編集を行うことができる状態を保っています。

JPEG撮って出しの写真を編集した場合

JPEG撮って出しの画像を編集してJPEGに保存するとこのような事が起きます。

編集時点で劣化し、さらに保存時にも劣化するわけですね。

撮って出しをそのまま使うならともかくなのですが、間で露出補正などを行うと酷い結果になります

PhotoShopなどでは頑張ってはくれますが、RAW現像と比べると厳しいものがあります。

RAW現像のメリデメ

編集時の階調の余裕

RAW現像のメリットはRGB各16bitという圧倒的に細かい階調データで編集できる点につきます。

JPEG撮って出しなどと比べると露出補正に対する耐性や、各フィルタの精度が段違い高くなります。

風景写真やスタジオ撮影など、じっくりと構えて設定して撮れる場合はJPEG撮影でもなんとかなりますが、野鳥撮影のように変化の激しいタフな条件で撮影せねばならない場合には必須と言えます。

野鳥撮影は常にISO耐性、シャッタースピード、ブレなどとの戦いです。

露出を通常よりも2段~3段落として撮影しても現像時にそれを補正できて、かつほぼ画質が劣化しない….使わない手はないですよね。

例えばJPEG撮って出しでISO6400で撮っている所を、EV-2で撮ればISO1600で撮影できることになり、SS 1/100 で撮っている場面ではSS 1/400くらいでも撮れるようになります。

データ容量と現像時間

当然ながらデータ量が大きくなるのと現像時間がかかるようになります。

ただ、CanonはC-RAWがかなり優秀ですので、最悪データ量はそれである程度は解決しますし、10万円程度でGPUを積んだノートPCなら現像は十分できますので、ボディやレンズを1~2ランク上のものに買い替えるよりは遥かにコスパは良いです。

何より自然が相手ですので2度と同じシチュエーションで撮影できないのが野鳥撮影ですので悔いのないように。

まとめ

RAW現像

RAW現像は…良いよというのをもうちょっと掘り下げて書いてみました。

今後AIの進歩などで過去のRAWデータも更に綺麗に現像できる可能性がありますので、RAWで撮っておくのをオススメします。

説明は間違っている所もありそうですが、概ねこんな感じじゃないかと。

近況


Canon EOS R7 400mm ƒ/4.5 1/1000s 100 

最近はあまりにも鳥がいないので、娘と公園に虫捕りに行ってる時に身近な野鳥を撮ってます 😛

距離15mくらい?これ以上近づくと比較的警戒心の低い小鳥でも逃げだす距離ですね。

焦点距離800mmの場合は「超近距離」といっていい距離です。

Extender x1.4落下破損
さて...そろそろ何か壊すんじゃないかなと思ってはいたんですが、やっちまいました。 EXTENDER EF1.4×III 落下 どれだけ気を付けていても撮影機材はやはり何かしらやらかしてしまうのですが、今回はExtender x1.4です。...

Extender x1.4が死亡したのでEOS R7 + EF400mm F4 DO IS II USMで撮ってますが、以前検証した通りでEOS R7の場合はMTFで30本/mmが0.85超えてこないレンズの場合はExtender x1.4を着けずに撮影した方が良いですね。

Extender x1.4をつけても越えてくるマスターレンズは野鳥撮影ではサンニッパ II型、ヨンニッパ II型、ロクヨン II型、200-400 F4ズームくらいだと思いますが 😛



Canon EOS R7 400mm ƒ/5 1/1000s 100 

15m~20mくらい、まぁ比較的警戒心の低い小鳥がほぼ逃げない距離だとこのくらいですね。

正直フレームに被写体がこのサイズだと撮っている時はかなり不安になるのですが、EF400mm F4 DO IS II USMの解像力と、EOS R7のセンサー解像度を信じて、このサイズでブレなくISO低く撮った方がExtender x1.4を使った時よりも良い結果になる事が多いように感じています。

EOS R7 + EF400mm F4 DO IS II USMでブレなくしっかり撮ればEOS-1D X mark III + EF800mm F5.6L IS USMと同じような解像度で撮れますので、あまりコンパクトな散策装備で欲張るなということですね。

フレーム内の被写体が小さいと問題になるのがトラッキングなどの精度ですが、そこは頑張るしかないです 😛

では、暑さに負けずに頑張りましょう!

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