EF400mm F4 DO IS II USMを散策レンズとして買い戻したわけですが、どう使うのが良いか試行錯誤中です。
EF400mm F4 DO IS II USM
スペック
【交換レンズ】EF400mm F4 DO IS II USM 機種仕様
このレンズはCanonがEF400mm F4 DO IS USMで叩かれたのが悔しくてII型でいろんな欠点を解決し、満を持して発売したにも関わらず「逆光に弱い」というプロ様からの評価によって全く売れなかったレンズです 😛
400mm F4で使うときの解像力は素晴らしいの一言ですね。
ただしExtender x1.4をつけて560mm F5.6として使う場合はガクッと解像力が低下するので、EOS R7ではRAW現像の補助が必要です。
Extender時にガクっと解像力が低下するのはRFレンズやEF大砲レンズのIII型など、最近のCanonの大砲レンズの特徴ですね。
これまではF値やテレコン耐性を重視していたのが、最近は小型化や軽量化が重視されています。
これはAFに明るいレンズが必要で低画素だったレフ機から、暗いレンズでもAFがきき高画素でコンパクトなミラーレス機へと時代が移る中での方針変更で、これ自体は正しいと思いますが少し寂しいですね。
EF500mm F4L IS II USMやEF300mm F2.8L IS II USM、EF400mm F2.8L IS II USM、EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×など候補は沢山あったのですが、3kg~3.8kgのレンズを持ち歩くならEF800mm F5.6L IS USMを持ち歩いても良いかな?という判断で結局このレンズを選びました。
見たことがない方は、実物を見ると想像よりもかなりコンパクトでちょっとビックリすると思います。
これで散策した後にハチゴローを持つと「こんな巨大で重かったっけ…」と毎回変な錯覚にとらわれます 😛
テレコンについて
当然ながらレンズにテレコンをかますより、焦点距離や明るさは同じであってもマスターレンズ状態の方が性能は高いです(EF400mm F2.8L IS II USM + Extender x2よりもEF800mm F5.6L IS USMの方が性能が高いというような意味)。
つまりテレコンを着ける前はその焦点距離で最高級の性能でも、テレコン装着後の焦点距離では高級くらいのレンズになってしまいます。
RF800mm F5.6L IS USMやRF1200mm F8L IS USMなどは「拡大光学系」を配置していると書かれていますが、結局は取り外しできない専用テレコンが内蔵されているようなイメージで、外付けテレコンをつけるよりは少しマシという感じですね。
- マスターレンズ状態で使うのがそのレンズの性能を最も発揮できる
- 画質は マスターレンズ > 拡大光学系 ≧ 内蔵テレコン > 外付けテレコン
- AFは遅くなるものの、大砲レンズでは高速な被写体以外ではx1.4ならそこまで気にしなくても大丈夫
- 当然F値は大きくなる
ですので、大砲レンズを選ぶ際はテレコンありきではなく「マスターレンズ状態で撮影できる焦点距離を選択するのが基本」となります。
「テレコンx1.4なら解像力劣化は気にならない」という話をよく聞くと思いますが、これは「テレコンx1.4をつけてもレンズ解像力が画素ピッチに対して余裕がある」場合です。
EOS R7のように超狭い画素ピッチのボディは大砲レンズの性能を限界近くまで使って解像させているようなものですので、そういう余裕のない構成でテレコンを使うと解像度の劣化が顕著に表れます。
逆にEOS-1D X mark IIIのように超広い画素ピッチのボディはレンズ側にまだまだ解像力に余裕がありますので、テレコンx2をつけてもあまり画質が劣化したように見えないことがあります。
ですので、自分の機材がどういう状態なのかを見極めてテレコンの導入を検討する必要があります。
画素ピッチの狭いセンサーを使うのと、テレコンはどちらが良い?
EOS R7はよく「テレコン替わり」と言われますが、例えばEOS-1D X mark IIIと比べた場合、APS-C 3250万画素 はフルサイズでは8300万画素という解像度に匹敵しますので、同じレンズを使って被写体を同じ画素数で撮ろうと思うと、EOS-1D X mark IIIではExtender x2をつけねばなりません。
EOS R5の場合ではExtender x1.4を着ければEOS R7と同等くらいですね。
テレコンを導入した際にありがちなのは、
- テレコンをつけた結果、レンズの解像力が不足して解像しない
- AFが想像以上に遅くなって動体にピントがあわなくなった(カワセミ等の高速撮影)
- 明るさが足りなくて、ISOが上がりすぎた、SSが上げられなくてブレた、AFがうまく効かなくなった
画素ピッチの狭いセンサーのボディに換えた時にありがちなのは、
- 画素ピッチに対してレンズの解像力が不足していて解像しない
- ブレに弱いので動体をシャッキリ撮れなくなった(カワセミ等の高速撮影)
- センサーのISO耐性が低くてノイズが目立つようになった
といったデメリットです。
これらは結局のところ何をどんなシチュエーションで撮影するのかで、どちらが良いかは変わります。
ただ現状ではテレコンなしの大砲レンズの解像力がかなり優秀なので、大砲レンズでは画素ピッチを狭くすることによる解像度の向上の方が、レンズのF値も変わらないこともあり、私としては優勢だとは感じています。
何のデメリットもなく解像度を高めることができる方法などないので、デメリットを理解したうえで導入しましょう。
今度EOS R1やRF200-500mm F4L IS USM発売くらいのタイミングでx1, x1.4, x2を選択できる高価なテレコンが発売されるようですので、ちょっと性能に期待していますがRFマウントボディでEFレンズでも使えたりしないですかねぇ?(Canonがそんなサービスしてくれるはずがないですが)
組み合わせ
EOS R7 + EF400mm F4 DO IS II USM (+ Extender x1.4)
やはり、解像度的にも重量やサイズ感的にもこの組み合わせが非常に良いです。
普段はマスターレンズ状態で使ってますが、とにかく小さい、軽い、綺麗、AF速い。
Extender x1.4をつけるとレンズの解像力が落ちますのでRAW現像で救ってあげる感じですが、解像度的にはExtender x1.4をつけたくらいが私の用途では丁度良いですね。
ただこのレンズは400mmで4段分の手振れ補正効果なので、まずExtender x1.4をつけた時点で3段分くらいに、更にAPS-Cなので2段分くらいに、その上で画素ピッチが狭くてブレにシビアなのでExtender x1.4をつけると結果的に1段分くらいしか手ブレ補正が効かない感覚です。
35mm換算 焦点距離896mmを手持ちで手振れ補正1段程度で撮るようなものですので、シャッタースピードはExtender x1.4では1/400~1/500確保したいところですね。
Extender x1.4を使う場合は小さくて軽い三脚も非常用に持ち歩いた方が良さそうです。
あと、ミラーレスAFの罠であるデフォーカス対応はレンズのフォーカスプリセットで対応。
EF800mm F5.6L IS USMとは違って、EF400mm F4 DO IS II USMではEOS R7でちゃんとフォーカスプリセットを使えることを確認しました 🙂
訂正
どうもEOS R7で被写体が小さい時に、昔より鳥として認識してくれないことが少し増えた気がする。
EOS R7で野鳥撮影 散策、EF400mm F4 DO IS II USM再びEF400mm F4 DO IS II USM つい最近までCanonに特設サイトがあったのに、なくなったんだなと思いつつ。 EF400mm F4 DO IS II USM、わずか数か月で散策用レンズとして買い戻しとなりました。 ...
あ…そういえばCanonさんごめんなさい 🙂
前に娘の運動会で使って以来、物体検出が「人物優先」になってました…ある時を境にいきなり鳥を認識しづらくなったなと思ってましたが、当たり前ですね…EF400mm F4 DO IS II USMを導入してから設定を見直していて気づきました。
設定を戻して試してみたら、以前と同じような感覚で掴んでくれていました。
これについては訂正します…バカすぎでした。Canonさんボロくそに言ってすいません 😛
EOS-1D X mark III + EF400mm F4 DO IS II USM + Extender x2
野鳥撮影において400mmというのは広角レンズです。
それをAPS-Cではなくフルサイズ、かつ今では最も画素ピッチが広いセンサーで使うわけなので、Extender x2を使うのが結果的には良い感じでした。
DxO PureRAW3の登場でISOが上がることで発生するノイズに関してはかなり除去できますので、昔と比べると随分実用的になったな…というのが正直な感想です。
ただまぁ…EOS-1D X mark IIIは1.44kgあるので、Extenderとレンズを合わせて3.9kgくらい。
ここまでくると、持ち運べるとはいえEF400mm F4 DO IS II USMを選んだ意味が薄れてきますので、EOS R7をEF800mm F5.6L IS USMで使っている時のサブですね。
一応、この組み合わせでも十分使えるというのは収穫ではありました。
作例
EOS R7 + EF400mm F4 DO IS II USM
メジロ
APS-C 400mmなので、35mm換算 640mmでこのくらいで撮れれば、まず問題なしですね。
なんだかんだそこまで明るい場所ではありません。
ただ、このサイズ感で撮る場合は鳥の方から寄ってきてくれるのを待つしかありませんね 😛
オオルリ
これは少し遠めで20m~25mくらい?オオルリでこのサイズだとそれなりに離れてます。
これはちょっとクローズアップは厳しめ。
このくらいの被写体サイズ感で現像すれば問題はないですね。
もちろんEOS R7 + EF800mm F5.6L IS USMだとクローズアップでも全く問題ない距離ですが、三脚や雲台込みで10kg、この機材は2.7kgと考えるとやはりこの辺りが妥協点かなという所。
35mm換算 640mmでここまで小さいので、まぁ仕方ないですね。
このサイズだと鳥が奥を向いているとトラッキングAFが少し怪しい感じですが、おおむね追従してくれてました。
角度的に木の枝と同化しているような感じだと認識しづらいことありますね。
EOS R7 + EF400mm F4 DO IS II USM + Extender x1.4
キビタキ若
これはかなり暗い場所だったので比較には向いてはいないのですが、散策は薄暗い場所が多いのでこのシチュエーションはありがちです。
SS 1/400 ISO 1600なので、丁度この機材で私が許容できる限界くらいの設定値ですね。
暗いのと羽毛が生え変わっていっている所でくすんでいるのもあって、あまり綺麗には撮れていませんが。
35mm換算での焦点距離896mmというのは、何とかすぐに被写体をフレームに入れられる焦点距離です。
普段ハチゴローで35mm換算 1280mmで撮ってると照準器がないと高確率で見失うのですが、この焦点距離なら私はギリギリ…ですかね。
EOS-1D X mark III + EF400mm F4 DO IS II USM + Extender x2
これで大体10mくらい…?近くはあるんですが案外イケてますね。
これはよく言われる話ですが、EOS-1D X mark IIIで撮るとシャッター音やその振動がものすごく心地よいです。
三脚を立てて撮ってるとそうでもないのですが、手持ちで小さめのレンズで移動しながら撮るとテンポが良いですね。
パシャパシャパシャ、と撮ってちょっと移動してまたパシャパシャパシャと…なかなか気分が良い。
35mm換算 焦点距離800mmでこのサイズ感。
至近距離…ではないですが結構解像してくれてますね。
過去Extender x2をつけて良い結果になったことはほぼないので、これは少し収穫でした。
まとめ
梅雨で天気が悪い中、早起きして3日間ほどかけて違う機材で撮ってみました。
概ね予想通りでしたが、私の所持機材でもExtender x2を使える場面があるのがわかったのは少し収穫でした。
休みの日に撮りに行く場合はほぼEF800mm F5.6L IS USMを使うので、EF400mm F4 DO IS II USMが活躍するのは毎朝の散策時になります。
EOS R7 + EF400mm F4 DO IS II USMは本当にコンパクトですので、朝にこの機材だけ持ってフラっと近くの山に行くのはなかなか気分が良いですね。
季節的にはこれからしばらくは若が出てきて鳥が一時的に増えますが、7月が終わる頃には近くの山では全く鳥をみかけなくなります。
今年は未だにアカショウビンも撮れていませんし、何とか撮りたいですね。
あと、今年は高山に移動する鳥を追いかけて高原とかでも撮れたら良いなぁと思っています。
これから厳しい季節になりますが頑張っていきましょう 🙂