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EOS R7,1DX2で野鳥撮影 カワセミ撮影のコツ(脱 初心者)

ようやくカワセミ撮影も、着水以降に関してはおおむね成功するようになってきました。

案外ほかのメイカーのカメラなら実は簡単なのか?とか邪推しつつありますが、
誰でも簡単に撮れるカワセミ撮影についてまとめたいと思います。

EOS R7で野鳥撮影 カワセミ撮影のコツ(初心者向け)
私は普段は山鳥を中心に撮影していて、カワセミを撮り始めてまだ3年程度しか経っておらず、その3年も「たまに撮りに行く」程度でしたので、まだまだ初心者です。 ただ、少しはまともな写真を撮れるようになってきましたので、初心者の方のために簡単に撮...

以前、この記事でとりかかりについて書きましたがその続編のような形になります。

まず初めに


Canon EOS-1D X Mark II 800mm ƒ/5.6 1/4000s 1250 -2EV 

対象としているシーンは「着水以降」です。

飛び出しは今はプリ撮影とかに頼れば良いと思うのですが、着水までの飛翔は結構とらえるのは大変ですし、そこまで私が撮りたいものでもないので着水以降だけ撮れれば良いかなという妥協した撮り方です。

「着水以降なんて撮れて当たり前」

という方は、初心者の域を超えているので、この投稿を見ても得るものはないんじゃないかと思います。

どうしても撮れなくて悩んでいる初心者向けに、少し練習すれば綺麗なカワセミ写真を撮れるであろう撮り方を紹介したいと思います。

ロケハン


Canon EOS R7 800mm ƒ/5.6 1/500s 125 -1EV 

以前も書きましたが、やはりまずは何よりロケハンです。

  • 時間をかけずに手軽に通える
  • 確度高くカワセミに会える、飛び込みしてくれる
  • ~20mくらいの距離で撮影できる

この辺りの条件を満たす場所をネットや人づて、もしくは自分で探しましょう。

とにかくカワセミ撮影回数を増やすことがまず初めにやるべきことです。

自分で新しい場所を探し出した場合はほぼ間違いなくカワセミは人慣れしていませんので、25~30m付近からの撮影になると思います。

それ用の装備を用意するか、徐々に距離を縮めていくかになりますので、そこは注意。
ただ、自分だけのプライベート撮影ができたりしますので、趣味としては非常にGoodです 🙂

私は撮影回数を増やす為に、人慣れしたカワセミがいる場所を車で30分以内の距離に2カ所キープして、陽のあたる時間帯で片方は07:30~09:30くらい、片方は10:00~という感じでハシゴしてます。

あとは近場でプライベート撮影できる田舎の川をいくつか。
こちらはたまに様子を見に行く..という感じです。

装備 (ボディとレンズ)

前回、三脚や雲台、照準器については書いたと思いますのでそれは割愛します。

手持ちはしんどいので、三脚、雲台、照準器は装備にあったものを準備しましょう。

ボディやレンズに関しては、やはり相手は高速なカワセミですのでお金をかけた方が成功率は高まります。

ですが今は丁度ミラーレスへの移行期で、一眼レフの最高装備が信じられないような値段で中古出品されています。

特にEFレンズはミラーレスでもほぼ問題なく使えるものですので、この機に大砲を狙ってみるのも良いのではないかと思います。

正直なところ「カワセミ撮影だけ」に限定した場合、ミラーレスボディが有利ということはあまりありませんので、ミラーレスのボディ性能がもう少し安定するまでは、しばらくレフ機を使っても良いのではないかと思います。

スキルが高い方は、EOS R7 + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMでも私より綺麗に撮られるので、お金をかければスキル不足を埋められるのと、悪環境での撮影機会が増えるという感じに考えてください。

装備の着目点


Canon EOS-1D X Mark II 800mm ƒ/6.3 1/4000s 1600 -2EV 

  • フレーミングの余裕
  • 解像度
  • ISO耐性
  • ブレ耐性
  • AF性能
  • 連写速度

主にこれらに着目します。

まずカワセミは動きが速いので、フレーミングに余裕がないと歩留まりを高めるのは難しいため、カワセミがギリギリフレームに収まるような組み合わせではなく、撮影環境に丁度良い組み合わせを選びましょう。

無理に長い焦点距離で頑張ると、なかなかうまく撮れません。


Canon EOS R7 560mm ƒ/5.6 1/4000s 1600 -2EV 

また、同時に解像度、ISO耐性、ブレ耐性も意識して装備を選びましょう。

解像度は被写体の画素数が自分が求める解像度を満たしているか、ISO耐性は1/4000などのSSで撮る場合に耐えられるか、ブレ耐性は画素ピッチが狭いセンサーはブレにシビアなので、それを抑え込めるか…という感じで選びます。

ブレ耐性についてはわかりにくいので少し補足します。

2枚目の写真はEOS R7+EF400mm F4 DO IS II USM + Extender x1.4で撮ったものなのですが、テレコンもつけているにも関わらず、拡大してみるとブレがあって解像し切っていません。
逆に1枚目はEOS-1D X mark IIで撮ったものですが、解像力は高くはないもののブレはあまり感じません。

ですので「画素ピッチの狭さ」を解像力の計算の中に織り込んでいる場合は注意が必要です。

  • EOS R7 (3250万画素) + EF400mm F4 DO IS II USM … 35mm換算640mm
  • EOS-1D X mark II (2020万画素) + EF800mm F5.6L IS USM

3250万画素 / ((800mm / 640mm) * (800mm / 640mm)) = 2080万画素なので、この2つの組み合わせは実は計算上は解像力的にはほぼ同じなはずなのですが、実際撮ってみると同じように撮ってもR7の方は少しブレることが多く、歩留まりが悪いことがわかります。

おそらくですが、シャッタースピードを1/8000まで上げるか、電子シャッターで撮るなりすればもう少しブレは抑えられそうではありますが、EOS R7の場合それはそれは歪みやISOなどの問題で厳しいものがあります。

もちろんとまりものでは全く問題ないので、カワセミのような高速な被写体を撮る時には…です。

AF性能については、ミラーレスの得意なトラッキングや動物検出などはあまり関係ありませんので、「AFフレーム内の被写体に、迷いなく素早く正確にピントを合わせられるか」で選ぶのをお勧めします。

連写速度については速ければ速いほど良いです。15コマ/秒前後は欲しいかなという所。

古いEFレンズの場合1DX系でも、サーボ中のレリーズ優先設定をしないと連写速度が落ちます。

なんとなくレンズのAFスピードというよりは、レンズで指定した位置にピントの移動か完了したかの通信が遅いだけな気もしますけど。

ミラーレスはこの設定がどうもないようなので、サーボでの連写速度は場合によってはかなり低下します。

装備紹介

では20mくらいの距離で撮る前提で、これまで私が使ったことのある組み合わせを紹介します。

カワセミのサイズ感や解像感の参考にしてください。

1. EOS R7 + EF400mm F4 DO IS II USM … 35mm換算640mm



Canon EOS R7 400mm ƒ/4 1/4000s 1600 -1EV 

  • 軽量なので手持ち撮影可能。
  • フレーミングにかなり余裕がある。
  • ISO耐性が低いので、晴天~明るい曇りくらいまで。
  • 解像力はギリギリあるものの、低ISO+高SSでブレを抑えないと解像させられない。
  • R7の高速連写可能レンズに含まれているEFレンズ、かつR7もAF性能は高いのでAF性能は悪くない。

カメラ、レンズ、照準器だけあればそのまま手持ちで撮影できますので、カワセミを探しながら撮るには最高の組み合わせかもしれません。

ただ、かなり被写体が小さいので背景にピントが持っていかれがちになりますので注意が必要です。

2. EOS-1D X mark II  + EF800mm F5.6L IS USM


Canon EOS-1D X Mark II 800mm ƒ/6.3 1/4000s 1600 -2EV 

  • 三脚必須。重いので長距離を移動しながらは厳しい。
  • フレーミングに余裕がある。
  • ISO耐性が非常に高いので、天気が悪くても気にせず撮れる。
  • 解像力はギリギリ許容なものの、画素ピッチが広いので天気が悪くても安定して解像する、色乗りも良い。
  • レンズのAFも速いが、EOS-1D X mark IIは非常にAFが正確/高速なのでAF性能は最高クラス。

持ち歩くのは無理なくらい重い(カメラ、レンズ、雲台、三脚で10kg~?)ので、カワセミの止まり木を知っていて待ち構える用です。

撮影的には非常にバランスの良い組み合わせで、今の私のカワセミ用メイン装備です。

カワセミ撮影ではかなり珍しい組み合わせではあるんですが、EFレンズや一眼レフボディが値下がりしているからこそ…という感じですね。

3. EOS R7 + RF600mm F4L IS USM … 35mm換算960mm

Canon EOS R7 600mm ƒ/4 1/4000s 1600 -1EV 

  • 三脚必須。ただ、そこまで重くはないので移動は比較的容易。
  • フレーミングは丁度良い程度に余裕がある。
  • ISO耐性が低いので、晴天~曇りくらいまで。
  • 解像力は十分。低ISO+高SSでブレを抑えないと解像させられないものの画素数が多いので許容できる。
  • レンズのAFは非常に速い。R7に最適。AF性能は高い。

2.よりは悪環境に弱いですが、解像度は高く、晴天~曇りくらいまでなら十分です。
RFかどうかはともかく、APS-C + ロクヨンの組み合わせで撮っている方は多そうなイメージ。

RAW現像で無理がきくのでとてもシャッキリします。

ブレを抑えるのは大変ですが、とてもバランスの良い組み合わせです。

4. EOS R7 + EF800mm F5.6L IS USM … 35mm換算1280mm

Canon EOS R7 800mm ƒ/5.6 1/4000s 800 -2EV 
  • 三脚必須。重いので長距離を移動しながらは厳しい。
  • フレーミングに全く余裕がない。
  • ISO耐性が低いので、晴天のみ。
  • 解像力は十分、画素ピッチ分くらいブレても画素数が非常に多いのでなんとでもなる。
  • 古いEFレンズとR7の組み合わせなのでAF性能や連写性能は少し厳しい。ただ、別に遅くはない。

20mで撮るにはかなりフレーミングが厳しいものの、撮れると超高解像です。
R7で撮るにはISO的に少し厳しいですが、画素数が非常に多いのでRAW現像で何とでもなる感じではあります。

ブレに関しても、ここまで大きく撮れると画素ピッチ分のブレはRAW現像でなんとでもなります。

最終的にこの装備できっちり撮れるようになるのが私の目標。

ただ、普通はやめておいた方が無難です。

簡単な撮り方

簡単に説明すると、置きピン + AFです。

MF的に飛び込み場所にピントを合わせておくだけではなく、着水の瞬間にAFで微調整します。

初心者で失敗する理由のほとんどは、飛び出しからシャッターを切り始めてしまう事にあるように思ってます。

1. 主な設定

EOS-1D X mark II

  • サーボAF
  • ゾーン/自動選択AF
  • レリーズ優先
  • SS 1/4000
  • EV -2~-3
  • 照準器あり
  • 測距不可時のサーチ駆動OFF

EOS-1D X mark IIの場合、私は自動選択AFで撮っています。
本当に飛び込む場所が決まっている場合はゾーンAFにすることもあります。

自動選択AFは中央から開始とかそういう設定にはせずに、カメラに任せます。
中央開始にすると背景に持っていかれることがあります。

また、サーボAF時は1コマ目も連写中もレリーズ優先にしています。
ピントを合わせに行っている対象が水しぶきという事も多いので、待つ意味がないのとテンポが狂うため。

サーチ駆動はどっちでも良いのですが保険でOFFにしています。

EOS R7

  • サーボAF
  • フレキシブルゾーンAF
  • トラッキングOFF
  • 動体検出OFF(一応瞳検出もOFF)
  • SS 1/4000
  • EV -2
  • メカシャッター
  • 照準器あり

EOS R7の場合はフレキシブルゾーンで、カワセミをとらえるのに丁度良い大きさを作っています。
トラッキングや動体検出など認識系はすべてOFF。

ただ、正直この辺りはONでも撮れるときは撮れるので、どちらでもという感じではあります。
運が絡みますね。

2. 飛び込み先の水面の距離に大体ピントを合わせておく

撮影を最も妨げるのは、AFを開始しても像がボヤけていてサーチ駆動が始まったり、背景にピントが持っていかれたり、うまく認識できなくてピントが合わないというシチュエーションです。

なので、あらかじめ飛び込み先であろう水面のあたりにピントを合わせておくことで、それを防ぎます。

もちろん、このときはレンズは水面を向けています。

飛び込み前のカワセミにピントを合わせて、飛び込みからすぐ追いかけてシャッターを切りながら着水を撮ろうとすると、着水時点でボヤけてしまっていてAFが期待通りに動かないことが多いです。

「最小限のAF動作」でピントが合う状態をここで作っておきます。

3. 片目でカワセミ、片目は照準を見て、大体の飛び込み先を予測


Canon EOS R7 800mm ƒ/6.3 1/4000s 640 -2EV 

これは両目である必要はなくて、場所によっては片目で照準とカワセミの両方が見えることもあります。

大事なのは、「飛び込んだ瞬間がわかること」「そのままシームレスに照準を見てレンズを振れること」です。

視力1.5で20mだとカワセミの顔の向きがギリギリ判断できます。
顔の模様などから嘴の向きもわかります。

カワセミは基本的に嘴の方向の延長線上の水面に飛び込みますので、概ね飛び込み先の予測ができます。

ただ予測が当たらなくてもレンズを振るのは間に合うので、飛び出し方向が違っても焦らずに。

5. カワセミの飛び出し、レンズを振って着水点をとらえる


カワセミが飛び出したら、焦らずカワセミをそのまま目で追う。

軌道を目で追って、素早くレンズを振って着水点あたりにフレーミングします。

カワセミ自体はレンズを振って追わず、着水予測点から着水地点までレンズを振るだけですので、ほとんどの場合は真横に少し振るだけになります。

ここでシャッターを切ると、背景にピントを持っていかれたりしてサーチ駆動や被写体がボケて認識できないという事態になりがちですので、まだシャッターは切りませんし、AFも作動させません。

6. 着水と同時にシャッターを切る


Canon EOS-1D X Mark II 800mm ƒ/5.6 1/2000s 1600 -2EV 

着水と同時にシャッターを切ることで、水しぶきやカワセミがフレーム内にいる状態でAFが開始されますので、2.であらかじめ水面あたりにピントを合わせてあるのもあって「最小限のAF動作」でピントが合います。

AFフレーム内にカワセミか、水しぶきが入っていることが大事です。
うまく予測が当たると1コマ目からジャスピンです。

EOS-1D X mark IIではある程度外れていても、概ね2コマ目ではピントが合います。
EOS R7ではもう少し手間取りますが、3~4コマ目くらいではピントが合っているように思います。

この辺りで少しボディ性能による歩留まりの差が出ます。

またEOS-1D Xの方は、「近くのものにピントを合わせるAF」ですので間違いなくカワセミか水しぶきに合ってくれるのですが、EOS R7の方は「ハッキリしたものや、認識したものにピントを合わせるAF」なので水面や背景に持っていかれるパターンが多い気はします。

7. できるだけカワセミが浮上して飛び去るのに合わせてレンズを振る


Canon EOS-1D X Mark II 800mm ƒ/6.3 1/2000s 1600 -2EV 

正直あまりうまく追えませんが、なるべく食い下がる。
着水した場所から、少し移動して出てきますので、それもできるだけ合わせる。

私はかなり苦手ですので練習中。

まとめ

多分、上級者から見ると消極的で面白みのない撮り方ですが、この撮り方だと一眼レフならば8~9割は撮影できています。

EOS R7だと3~4割というところでしょうか。
もうちょっとEOS R7で良い撮り方がないかはこれからの検証課題です。

完全な置きピンではないので、どこに飛び込もうが基本的には間に合います。

置きピンというよりは、AF時の作動範囲を最小限にするのと、シャッター時に確実にカワセミか水しぶきにピントがいく状態にするという感じですね。

追いかけてる途中に背景にピントが抜けて、着水時にうまくピントが合わないということが私の場合は多かったので。

なんとなくミラーレス時代にあるまじき撮り方な気もしますが。

既に自分なりの撮り方が確立されていて歩留まりも良いなら真似しない方が良いですが、どうしてもうまく撮れないという方は一度試してみてください 🙂

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