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EOS R5 mark II + RF600mm F4L IS USM カワセミ撮影 試行錯誤中

発端と考察

RF200-800mm F6.3-9 IS USM

EOS R5 mark IIを購入してから数か月は「EOS R5 mark IIのAFを検証するにはRFレンズが良いだろう」という事で、RF200-800mm F6.3-9 IS USMを使っていました。

その時に感じたのは「EOS R5 mark II + RF200-800mm F6.3-9 IS USMはカワセミをとても撮りやすい」ということ。

カワセミの撮影では画質面では当然もう一歩ですが、ほぼ失敗する気がしないくらいには強力でした。
(過去を美化してる可能性は大いにあります)

飛び出しからずっと追いかけてもずっとトラッキングで掴んでくれてたのはEOS R5 mark IIのAF性能もありますが、どうもRF200-800mm F6.3-9 IS USMを使っていたというのも大きく影響している気がします。

最近EF600mm F4L IS II USMやRF600mm F4L IS USMで撮影していましたが、出てくる写真は数段上の画質ではあるものの、実はRF200-800mm F6.3-9 IS USMよりは撮りづらく感じています。

理由はなにか?

 ① ロクヨンはレンズが大きい&重くて振りづらい&止めづらい
 ② ロクヨンは径が大きいので、照準器の視差が大きい
 ③ RFマウント+RFレンズによる高速なAF制御、連写制御
 ④ 初動が速いナノUSMによる、高速で小刻みなフォーカス制御
 ⑤ 暗い開放F値による深い被写界深度でボケも小さく、被写体検出やデフォーカスに強かった

あたりがおそらく理由かなと。

①②についてはロクヨンの径を小さくすることはできないので改善するのは困難です 😛
600mm F5.6やF6.3くらいの単焦点レンズが出てくれると良いんですけど、人間側を鍛えるしかないですね。

③についてはEF600mm F4L IS II USMからRF600mm F4L IS USMにすることで既に解決しています。

で、あとは残りの④と⑤について。

ナノUSMとリングUSM

④についてですが、以前こういった記事がありました。

RFレンズ、買ってもいいですか? 第4回(特別編)開発者に聞いた「F2.8 L IS シリーズ」のヒミツ
写真家が「キヤノン光学技術研究所」のレンズ開発者を直撃取材!「F2.8 L ISシリーズ」のインサイドストーリーを聞き出しました。RF15-35mm F2.8 L IS USM、RF24-70mm F2.8 L IS USM、RF70-200mm F2.8 L IS USM の開発秘話は? 高性能のヒミツとは?

以前からあるリングUSMは重たいものを動かすことが得意なのですが、初動は速いとはいえません。
ナノUSMはAFの動き出しの速さ、クイックネスに特徴があります。

Canonの技術者がこう言っているので、リングUSMの初動はナノUSMより遅いというのは間違いないんじゃないかと思います。

そのかわり、リングUSMはトルクが大きいという話ですね。

ナノUSMの採用は、レンズの軽量化の恩恵でもあります。
フォーカスレンズが以前の10分の1ぐらいにまで軽量化している。これはAFスピードに影響します。

こうも書かれているためRF用に作られたレンズ、例えばRF100-300mm F2.8L IS USMのような大砲に近いレンズにもナノUSMが採用されていますが、RF600mm F4L IS USMなどはEFの光学設計をそのままなので、フォーカスレンズが重くてリングUSMにせざるを得ないのかなと思ってます。

つまり、RFボディのAF制御に十分対応するためにはナノUSMのような初動の速いモーターを搭載したレンズが適合で、現状のRF大砲ではRFボディのAF性能を発揮しきれていない可能性があるということです。

流石に現行モデルで170万円くらいするRF大砲レンズが、28万円のズームレンズにAFが劣ってるとは思いたくないですが、当時はCanonは大急ぎでRFマウントの大砲ラインナップを揃えましたって感じでしたので、十分あり得る話ではあります 😛

ただ、カメラマン側でどうにかできる話じゃないので頭の片隅に残しておく程度で。

F値って小さいほど良いの?


Canon EOS R5m2 600mm ƒ/5.6 1/4000s 2500 -1.3EV 

そして⑤について。

800mm F9という暗いレンズは「被写界深度が深くボケにくい」という特徴を持っています。

EOS R5 mark IIで2025年 元旦 鳥はじめ② カワセミ
2025年 鳥はじめ 2025年、あけましておめでとうございます。 今年も近江猫屋敷をよろしくお願いします 🙂 それでは元旦鳥はじめ②です。 ①は以下をどうぞ 🙂 カワセミ 今年初の顔合わせ 「どこにいるかな~」と思って...

この記事で書きましたが、大体 600mm F5 ≒ 800mm F9 ≒ 840mm F10 で被写界深度が同じくらいになるようです。

もちろん、焦点距離によってもボケ方は違うのですが、被写体からどのくらいピントがズレるとデフォーカスするかの目安として。

「F値って低い(明るい)方がAFのピント精度が良くなるんじゃないの?」

って思いがちですけど、明るいと既にピントが被写体の近くにある状態でのピント精度は良くなるんですが、ピントが被写体と大きくずれている場合には、ボケが大きくてピントが合わないという症状が起きます。

特にミラーレスは一眼レフに比べるとデフォーカスに弱いので、大砲レンズのように明るくて長焦点距離のレンズを使っていると「目の前にいる鳥にピントが全然合わない」という現象がよく起きますね。

つまり動体撮影においてAFに使われるレンズのF値は、明るければ無条件に良いというわけではないという事になります。

そこで⑤に対しての答えとして、「開放より少し絞ったF値でAFしたい」ということで考えてみました。

AFに使われるレンズのF値を絞りたい

一眼レフの時代はAFには開放F値が使われてたので、ミラーレスでも「わざわざレンズからの光を絞った状態でAFする」というのは、これまであまり考えてなかったというのはあります。

そもそもですが、ミラーレスはF22くらいまでならAFできますし「AFにそんなにF値関係なくない?」という気はしてますが。

それもあってCanonもF値の高いレンズを出してきてるんだと思います。

そういうわけで、どうしたらいいかなとあれこれ。

プリ撮影時の絞りの挙動

プリ撮影中のレンズの絞り羽根はどうなっているのか?


Canon EOS R5m2 600mm ƒ/5.6 1/4000s 1600 -1EV 

まず1つ目に着目したのはプリ撮影。

「あれ?プリ撮影ってちゃんと絞ったF値で撮影されてるよな?」という事に気づいたので少し調べてみました。

プリ撮影でシャッターボタンを半押ししてる間、絞り羽根を高速に開けたり閉じたりし続けてるとは思えないので、絞り羽根は設定してる絞りの状態になってるんじゃない?

ということで検証。

結果としては、シャッター半押しでプリ撮影されてる時は絞り羽根はちゃんと絞られた状態になってました。

ただし、ピントが合って撮影できる状態でのみ


Canon EOS R5m2 840mm ƒ/8 1/4000s 5000 -2EV 

ただ、問題が…。

挙動を確認していて、「ある程度ピントが合っている状態じゃないとレンズの絞り羽根は動かない」というもの。

私はサーボ1コマ目を「レリーズ優先」にしていますが、それでもピントが合ってないと絞り羽根は動きませんでした。

絞り羽根を確認するために私がレンズの前に立ってレンズを覗き込んでいると、最短撮影距離でピントが合わないので絞り羽根は開放状態になります。

ちょっと私がズレて奥の背景にピントが合うと、絞り羽根は設定した状態に閉じられるという挙動でした。

つまりピントが合ってない状態からプリ撮影を発動させても、ピントが合うまでは絞り開放状態でのAFになるので、デフォーカス対策で使うという期待した挙動にはなりません。

表示Simulationの挙動

次に試したのは表示Simulation。

EOS R7の時に表示Simulationの設定がAFに影響を及ぼしていたのは気づいたのですが、詳しくは調べてませんでした。

「表示Simulationの絞りのボケってソフトウェア的にやるの厳しそうだし、絞り羽根動かしてるんじゃない?」ってことで試し。

絞りボタン時のみ


Canon EOS R5m2 840mm ƒ/8 1/4000s 1250 -1EV 

これまでは一眼レフと同じような感じで、なるべく明るくファインダーを覗けるようにこの設定にしてました。

EVを下げて撮ることが多いので、露出を反映させてしまうとファインダー像が真っ暗になってしまうというのもあります。

もちろんですが、この設定ではレンズの絞り羽根はシャッター時にしか動きません。

露出 + 絞り


Canon EOS R5m2 600mm ƒ/5 1/4000s 1600 -1EV 

表示Simulationには「絞り」というのがないので、仕方なく「露出+絞り」。

結果としては、絞りの値に合わせてレンズの絞り羽根がAF中も閉じてくれました。

というわけで表示Simulationを「露出+絞り」にしておけば、期待通りレンズからの光が絞られた状態でAFできます。

これに関しては物理的に絞り羽根が閉じているので、確実にそういう挙動になってそうです。

いや、表示Simulationって名前おかしくない…?


Canon EOS R5m2 600mm ƒ/5.6 1/4000s 3200 -1EV 

これは「表示Simulation」ってネーミングが悪い気がします。

これだと開放F値でAFなんかは動作させていて、ファインダーや液晶の表示だけSimulationしてますって思いますよね。

ただ実際には少なくともレンズの絞り羽根は動いてるので、絞りに関してはSimulationじゃありません 😛

また通常のピント合わせはわかりませんが、F値をどんどん上げて表示を真っ暗にしたら被写体の検出ができなくなっていきましたので「表示Simulation」が反映された後の像が、少なくとも被写体検出などでは使われていそうです。

まとめ

ミラーレスはレンズのF値を絞ってAFできる


Canon EOS R5m2 600mm ƒ/5 1/4000s 1250 -1EV 

これ、一眼レフと比べてちょっとしたアドバンテージな気がするんですが「表示Simulation」を「露出+絞り」にすることで実際にレンズの絞り羽根が閉じて絞られた状態でAFできる事がわかりました。

これが実際にカワセミ撮影に良い影響を与えるのかはもっと試してみないとわかりませんが、ロクヨンを使っていても600mm F5としてAFを動かして、撮影することができそうです。

もちろん撮影結果も絞られますが、私は使ってる感じでは600mm F5というのはほどよい気がしてます。

F5.6でも良いのですが、なんかせっかくロクヨン使ってるのに悔しい気がする(謎)ので、当面はF5で撮ろうかなと思ってます。

+1.4Extの840mmの場合はF10くらいで被写界深度が同じくらいですが、RF200-800mmよりも暗い設定になるので撮影条件的に厳しそう。

600mm F5ならほとんど影響ないですし、何より距離16mくらいでこのくらいの解像度で撮れるなら文句はないです 😛

当面


Canon EOS R5m2 840mm ƒ/8 1/4000s 1600 -2EV 

この先EOS R7 mark IIか新型ロクヨン/ハチゴローが発売されるまでは、EOS R5 mark II + RF600mm F4L IS USMで撮っていくことにしてますので、少し腰を据えてこの構成でのカワセミ撮影やとまりもの撮影を試行錯誤してこうかなと思います。

実はこの投稿に貼ってある写真は全て表示Simulationを「露出+絞り」にして、ブラックアウトフリーもプリ撮影もONという山盛設定で撮ってますが、かなり快適に撮影できました。

特に遅いとかは感じなかったので、EOS R5 mark IIは大部分の処理がAIチップで行われるのもあり、EOS R3やR7世代とは違ってそんなに処理の重さには気を遣わないでよさそうな感じですね。

まぁ、照準器見てるんでブラックアウトフリーもファインダー像の暗さもほぼ関係ないんですがw

 

何度も書きますが、気になったところは、私を信じずにご自分で調査や検証などよろしくお願いしますw

気づいてなかったのは私だけという可能性も大いにありますが、なにかしらカワセミ撮影の参考になれば 🙂

頑張っていきましょう。

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