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EOSで野鳥撮影 600mm/800mmレンジの大砲レンズ+RF Extenderの画質

この記事について

はい、久々の野鳥撮影研究記事です。

相変わらずあまり調べもせずにRF600mm F4L IS USMを衝動買いしたわけですが、Extenderをつけて撮影してみて

「あれ?…想像と違う」

という感じだったのでRF Extenderについて詳しく調べて考察してみました。

私の想像では「多分EF Extender III型と同じような性能じゃないの?」だったのですが。

いつものことですが、書いてある内容は鵜呑みにするのではなく、気になった点は自分で調査して確認してくださいネ 😛

 MTFチャートについておさらい

波動光学的MTFと、幾何光学的MTF

レンズのMTFチャートの罠
私はどちらかというとレンズは実際に使ってみて判断する方なので、MTF曲線とかはあまり見ないのですが、MTFチャートでレンズを判断している方はちょっと気を付けた方がいいよというお話。 たまにSONYのFE600mm F4 GM OSSの「M...

かなり前に書きましたが、MTFチャートは大体この2種類があります。

同じメイカーでもたまに混在していることがあるので気を付けましょう。

大砲レンズの場合、幾何光学系MTFでは0mmが大体1.0に張り付きますので、それを目安にどちらか判断すると良いです。

ChatGPT様にまとめてもらいました 🙂

Canonは基本的に波動光学的MTF、NikonやSONYは幾何光学的MTFです。

波動光学的MTFは回折の影響なども含めたMTFですので、幾何光学的MTFより低い数値になります。

ですので、MTFは同一メイカーの同一基準のチャートでしか比較してもほぼ意味がありませんのでご注意。

CanonのMTFとSONYやNikonのMTFチャートを見比べて「Canonのレンズダメじゃん」とか思わないように 😛

まぁ実際にどうかと言われるとRFは特にCanonダメじゃんと思いますが、それはまたMTFとは別の話ですw

CanonのMTF

Canonが採用している波動光学的MTFは回折などの影響も含みますので、レンズのF値が高くなると数値は低くなります。

このMTFチャートの良いところは「実際にそれぞれのレンズで撮ったらどうなのか」が直感的にわかりやすく、例えば

この2本のレンズを比べると、実際に被写体を同じサイズで撮った場合、EF800mm F5.6L IS USMの方がMTFにあらわれている数値差くらいソフトになりますので、チャートから大体の写りが想像できます。

どれか大砲レンズを所持していたことがあれば、そのレンズのMTFを基準として他のレンズも大体イメージできますね。

もちろん800mmは焦点距離が長いのでトリミング後の被写体の画素数が600mmより1.77倍くらい増えますし、ソフトになった分をRAW加工で補えるほど解像度がUPするので評価は難しいのですが、それでもありがたいですね。

幾何光学的MTFについて、Nikonの600mmF4と800mmF6.3というレンズがありますが、それらは以下のようになってます。

Nikon使ってない身としては、「いや、違いわかんねーよ」って感じですが。

普通に考えて200万円以上する600mm F4/TCと、100万円以下の800mm F6.3が同じ写りなわけがないですよね。

まぁ私がCanonのMTF見てイメージが掴めるように、Nikonユーザーならこれ見たらわかるんですかね?

MTFチャートX軸とセンサー範囲

MTFのX軸はセンサー中心からの半径距離ですので、大体こんな感じです。

小鳥の場合は距離20mくらいで撮っても中央半径5mm円のセンサー範囲程度でしか撮れないことが多いで、実質は5mm~7mm、フルサイズで大きく撮れたとしても大体10mmまでで判断して良いかと思います。

私の場合は7mmくらいまでを見て、あとは参考程度にしてるくらいです 😛

被写体を10mmくらいのサイズで撮れる場合はそもそも被写体の画素数が多いので、解像力が少しなかろうがRAW加工でどうとでもなるんですよね。

野鳥撮影では10mm円くらいで撮れると「むちゃくちゃ大きく撮れた」って感じるサイズ感です。

Canonレンズの現状

光学系はEFレンズのまま

Canonはミラーレスへの出遅れのためか、現在のRF大砲単焦点レンズは全てEFレンズの光学設計を踏襲しています。

もう光学的に手を加える意味がないと判断したのか、その辺はわかりません。

RF400mm F2.8L、RF600mm F4LはそれぞれEF III型の光学設計をそのまま使っていますし、RF800mm F5.6L、RF1200mm F8Lはそれぞれ RF400mm F2.8L、RF600mm F4Lと全く同じ光学設計に「拡大光学系」という名前で x2 テレコンが内蔵されてるようなものになってます。

「拡大光学系」という名前が凄そうですが、MTF的に比較してみると「ほんのちょっとだけ性能の高いx2テレコン」と考えて良さそうです。

軽量化

Canonの大砲はEF II型の頃がもっとも堅実な光学設計がされていて、EF III型とRFについては軽量化やサイズダウンが重視され、特に「Extenderをつけて撮る」というのはあまり重要視されなくなっているように見えます。

II型とIII型のレンズ構成を見比べると、明らかにII型とIII型では大きく光学設計が変化していますね。

私は光学の専門家ではないのでこの構成の意味するところはわかりませんが、II型は余裕をもって蛍石レンズなどが配置されているのに対して、III型はII型から軽量化のためにマスターレンズで同等の性能が出せる範囲でレンズを頑張って削った感じには見えます(適当に言ってます)。

コーティング

EFII型ではSWCが、EFIII型やRFではASCが採用されています。

よくわからないのでChatGPTに聞きました。

ChatGPT曰くですが…なんかSWCの方がコストはかかるけど、野鳥撮影などでは有利と珍しく断言してますね 😛

大体こういう「製造コスト」が出てくると、特にアナログなものはコストが安くなって良くなった試しがあまりないので、何かしら影響があるのかもしれません(適当言ってます)。

実際RF600mm F4L IS USMでは何かコントラストに違和感があるので、そういう事なのかなと。

まぁ、ChatGPTは嘘つきなので本当かわかんないですけどね。

CanonはEOS R1見てもわかる通りスポーツ撮影第一ですので、野鳥撮影には正直向いてないよなと思いますw

Extender使用時のMTF

そしてMTFを見る限りはIII型はマスターレンズではII型と同等以上の性能を発揮しているものの、Extender装着時には中央部の解像力面で大きな劣化が見られます。

野鳥撮影では特に中央部の解像力が重要ですので、使ってみると大きくスペックダウンしたように感じられます。

II型は3920g、III型は3050gということで約900gもの軽量化がなされており、手振れ補正やAF性能も向上しているため「いろいろトレードオフしたんだろうな」という感じだけは受けますね。

EFとRFのExtender性能比較

以前はCanonがRFのExtender装着時のMTFを公開してくれていたのですが、探しても見当たらないので海外の評価サイトなどから以前Canonが公開していたものを探してきました(真偽は各自確認を)。

光学設計は全く同じですのでIII型とRFのロクヨンはマスターレンズ状態では全く画質は変わりません。

ですので、この2つのレンズを比較することでEFとRFのExtender性能を比較することができます。

Extender x1.4

Extender x1.4はRFの方が若干中央部の解像力が高いですが、逆に周辺部は解像力が低いという結果でした。

ただ、先に書いた通りで私が野鳥撮影でよく使うのは7mmくらいまでですので、RFの方がEFIII型よりは若干良好ですね。

私はEF600mm F4L IS III USMは使ったことがないので比較する術がなかったのですが、これはちょっと意外でした。

実際に使っていて、「あれ?MTFで見てたIII型Extより思ったより解像力良いな」というのが正直な感想です。

正直EF600mm F4L IS III USM + Extender x1.4のMTFの通りだったらかなり厳しそうだなと思ってたので。

Extender x2.0

そして、Extender x2.0…こっちは逆な方向に意外で、RFの方はかなり酷いですね 😛

本当のど真ん中はほんの少しだけ高いものの、5mm時点で既に酷い結果になってます。

このExtender x2.0のMTFには衝撃をうけました。

実際撮ってみても「あれ…なんかすごいソフトだなこれ」って感じましたので、正しいデータではありそうです。

Extender x2の時は鳥を大きくフレームに入れるので、10mmくらいまで解像力が必要な場合が多いんですよね。

800mmレンジ帯のMTF

私は野鳥撮影では800mmあたりを最も使いますので、そのレンジ付近のレンズのMTFをExtenderありなし含めて比較。

ヨンニッパにx2という選択肢もあるんですが、基本的にロクヨンよりは低い値になるので除外しています。

野鳥撮影ではやはり遠くの被写体を鮮明に撮れるというのが多くの人に求められる性能だと思いますので、中央部の解像力が大事で、わずかな性能差でも顕著に違いが現れます。

RF800mm F5.6L IS USMは隅の方まで均一に写るのは凄いですが、中央部の解像力がかなり低いので野鳥撮影ではよほど被写体を大きく撮らないと厳しいかもしれませんね。

EF800mm → EF600mm II型 → RF600mm という順でジリジリ中央の解像力が低下していってますが…まぁ我慢できる範囲ではあると思います。

まとめ

MTFからのExtender評価

気になっていたRF大砲のExtender装着時のMTFを見つけて、これまで体感で測っていた性能をチャートで確認できました。

名前が実名のようでしたのでふせますが、お問い合わせから情報を送ってくれた人達には本当に感謝 🙂

MTFを見てExtenderを解像力の面で評価すると

  • RF Extenderは、中央は少しEF Extenderよりも良い周辺は酷い
  • RF Extender x2.0はちょっと厳しいかもしれない

という感じですね。

RF600mm F4L IS USMで試した感じだと、RF Extender x1.4にとどめておいた方が無難と思います。

RF600mm F4L IS USMの光学設計はEF600mm F4L IS III USMと同様でRF用に設計されたものではないので、RF用に設計されたレンズにRF Extender x2.0をつけた場合は本領を発揮できるのかもしれませんね。

中央部の解像力以外のレンズ性能

今回はMTFから特に中央部の解像力の面でどうかを見てみました。

ただレンズの性能は中央部の解像力だけではなく、全体の解像力の均一性、AF性能や重量、サイズ感、頑丈さなどいろいろとあって、どこを重要視するかは人によって違うと思います。

たとえばEOS Rシリーズのボディを使うならば、RFレンズはAFに関してはExtenderを装着してなお圧倒的にEFレンズよりも高性能な傾向があります。

Canonは明らかにRFマウントになってからレンズの性能面は、「AF性能と、軽量化」に注力しているように見えますね。

これはRFマウントでとにかくラインアップをそろえるための一時的なものなのか、恒久的なものなのかは不明ですが、RF大砲のII型が発売されればそのあたりも明確になってきそうですね。

私の知り合いでも、ボディはEOS R5 mark IIで問題は解消されたけどCanonは欲しいレンズがないと言っている鳥屋な人が多いです。

是非 RF 大砲II型で、AF性能が高く、軽量で、解像力のある凄いのが発売されてほしいですね 🙂

総括

初めに書いた通り、RF ExtenderってEF Extenderと同じかちょっと性能良くなったような感じじゃないの?

って思ってましたが「良くも悪くも全然違うやんこれ」って言うのが正直なところです。

いまもRF600mm F4L IS USM + Extender x1.4は快適に使っていますが、x2.0はかなりソフトなので使用を控えてる感じです。

EOS R5 mark IIの登場でそろそろRFレンズに変えないとAFが厳しくなってきてますので、RF大砲レンズにExtender込みで買い替えようかと考えてる人は参考にしていただけたら。

さて、では頑張っていきましょう 🙂

付録

※現在、または過去にCanonのサイトで公開されていたらしいチャートです
※トンマナを合わせるためにタイトルだけ変更してますが、チャート自体は一切手を振れていません
※コピペミスなどある可能性がありますので気になったものは自分で調べてください

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